4月3日(火)春の嵐2

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 ニュースは難しいことを分かりやすく伝えようとして「台風並みに発達した低気圧」という表現を使っていたが、台風(熱帯低気圧の一種)と今回の発達した温帯低気圧は、その構造が異なる気象現象なので、ニュースの表現は理解できる説明にはなっていない。
 簡単に書くと、熱帯低気圧は強い上昇気流がコリオリの力で渦を作って、その中心の気圧が下がり、周辺から風を引っ張り込む現象。中心付近の最大風速が17.2m/sを超えると台風となる(ハリケーンやサイクロンは定義が異なるので気象学上は同じものではない)。それに対して温帯低気圧は寒気と暖気が出会って、それぞれの比重で上下に移動することによって渦を巻いて発達する。北半球の、それも日本近くの温帯低気圧は進行方向近くに温暖前線を、南西方向に寒冷前線を伴っており、その寒冷前線が通過する時に天気が荒れる。
 発達した熱帯低気圧を特別に「台風」と呼ぶように、発達した温帯低気圧にも呼び名をつければ、より分かりやすくなることだろう。それにしても「台風(タイフーン)」は優れた命名だ。
 ところで台風が、前述した2つの前線を伴うようになると温帯低気圧になるので台風ではなくなる。中心付近の最大風速が17.2m/sを下回っても台風ではなくなる。
 
 モリアキ翁の定期通院を明日に延期して朝一番で買い物と水汲みを済ませ、モリアキ翁と外の風雨を見ては「凄いねえ」などと言いあっていた。
 外の様子が気になって集中できないので、またもやピアノを調律してしまった。調律はけっこう楽しいのかも知れない。
 カミさんが「天才はうるさいけど、秀才は静か」と言っていた。分かる気がする。天才は頭の中をいつもたくさんのアイディアが飛び回っていて大変なのだ。
 私は天才型ではないけれど、曲を書こうと思ったらいつでもアイディアがある。ただし、私の場合は使い物にならないもろもろのアイディアに埋もれた “有用な” アイディアを掘りだすことが大変だ。今日もヒナステラを思わせるアイディアが鳴り続けていて、自分自身のものと言えるアイディアが見つからなかった。そういう時は調律で集中、ということなのだろう。
 
 最初に帰宅したのがカミさんで、今日だけ2時上がりだったようだ。レインコートとレインブーツという出で立ちだったので、何事もなく無事帰宅。装備は重要だ。
 夕方、風が帰宅。ちょうど雨が弱まった時だったので、彼も被害は最小。一番遅かったのが “たろ” の午後8時前。彼女も運良く風雨が弱まった時に帰宅して無事だった。

 夜、ブルータスの「大友克洋、再起動」を読んでいて、大友克洋井上雄彦の対談が面白かったのだけれど、ここに現代美術の山口晃が加わったらさらに面白い展開になったのではないかとも思った。
 彼らの作品くらい熱くなれる曲を書こうと思った。今すぐ、遅くとも明日には書き始めよう、とそんな気になった。