3月8日(日)

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 不定期便にも書いたが、昨夜は花粉症がひどくて眠れず、今日は疲労感に満ちた一日となってしまった。
 2月から夜の定期便(不定期便)で、私が聴き込んできた「気になってきた曲」の紹介をしている。あまりしばしば紹介しているので、一度聴いてそれまでという人もいるに違いないが、私は自分自身が消化したと納得するまで聴き込んできたつもりだ。どうなったら納得できるかというと、それは、その曲に秘密がなくなったらということ。秘密がなくなるとは、その曲の和声構造や楽式構造などが分かってきて、(インスピレーションを別にすれば)理論的・技術的には理解したと感じた時である。根本的な問題が“インスピレーション”なので、その作曲家にも作品にも近づけたわけではないのだが、料理にたとえるならば、食材だけは分かったという状態である。たったそれだけのことなのに、納得したというその感じを得るには短くとも数カ月、長ければ数年という時間が必要で、必然的に数百回、あるいはそれ以上も聴き込むか弾き込むことになる。しかし、どれだけ時間をかけようが、偉大な作曲家たちのインスピレーションは遥かかなたにあって、凡々たる私を近づけようとはしない。それは当然のことと言えば当然だ。誰もが今いる場所でなんとかしなければならないのだ。