1月17日(日)

49485

 昨日、夕食時の話題が白瀬矗(しらせ・のぶ)の生涯になった。子どもの頃に父から簡単な評伝を聞いたことがあったが、今では私のほうが詳しくなっており、今度は父に説明する側に回った。詳細は省くが、白瀬矗は南極点を目指した日本の軍人(陸軍中尉)で探検家。白瀬矗の南極探検は、軍が計画したものという誤解があるが、大隈重信らの援助はあったものの、彼が独力で起案した個人的な計画である。
 機会があったら、ぜひその評伝をお読み頂きたい。
 今日は朝からレッスンがあり、午後は“たろ”とセンター試験の現代文の問題と解答を検証。経済学者、岩井克人(いわい・かつひと)さんの「ヴェニスの商人資本論」から出題。これは難しい。“たろ”に言わせると、中身は難しいけれども問題は解ける、ということだった。我々の時代には文章は難しかったけれども、内容がここまで難しいものは出なかった気がする。たとえば、小林秀雄は文章は難解だけれども「モオツァルト」の内容は今となってはそれほど特別なことが書かれているわけではない。「ヴェニスの商人資本論」は、文章は平易だけれども、経験の浅い若者たちに、その本質が理解できるのだろうか。
 夕方、楽譜を買いに出かけた。途中で大変な人だかりがあり、それがパチンコ屋であることが分かったが、通りすがりにチラリと見えた赤いコスチュームの女性がその混雑の正体であること以外は分からずじまいだった。
 楽譜を買い終えて再びその店の前を通ると、うそのように人だかりが消え、従業員が「叶美香さん来店」というような看板を片づけていた。パチンコ屋を回るということは落ち目を感じさせるけれども、人気(にんき)は衰えていないということか。人気とは猛烈なエネルギーであると感じた。
 いいな〜、人気。