2月27日(土)

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 今日は娘の“たろ”の大学入試実技1次試験と、ベッラ・アミーカのステージ本番。
 11時からのサウンドチェックのためにクルマで家を出て、さいたま芸術劇場へ。ステージは数分間しか使えなかったが、立ち位置が決まったのでそれはそれでよい。それより、練習室を予約してあったのがお手柄。最後の演奏はとても見事。
 その後、すぐに家に戻って父の昼食。カミさんが母の病院に行く前に下準備をしておいてくれたので、あっという間にランチタイム。今日はコーヒーも上手に淹れられて良い感じ。
 休む間もなく、今度は北戸田駅から埼京線で芸術劇場へ向かう。駅のホームに停車した車両のドアが開いた途端「せんせい!」という声。なんと、大学時代に教育実習で担任したHさん。今は小学生の母親。やはり芸術劇場へ向かうところだという。昨年4月に30年ぶりに再会して以来2度目の偶然。
 芸術劇場音楽ホールに到着した時にはプログラム第4番が始まるところ。「小猫会」というヴァイオリン、オーボエ、ピアノのトリオ。バッハの「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調」の第1楽章がレベルの高い素晴らしい演奏。それに続く「コーラスいろどりレディース」という平均年齢のかなり高い女性合唱団が、これまた素晴らしい演奏。ステージ最初から聴かなかったことを後悔する気持ちに。
 ところが、次の二胡教室の演奏あたりから俄然素人っぽい演奏に。前の2団体との落差は歴然。主催者は演奏順序などに配慮すべきだったろう。その次のOKGという高校生47名からなるギター合奏団は、実によく訓練されたアンサンブルだったが音量バランスの悪さが惜しまれるところだった。曲は、サン=サーンスの「歌劇“サムソンとデリラ”」の「バッカナール」。
 そしていよいよベッラ・アミーカ。始まった時からアインザッツに乱れがあり、それはとうとう2曲目の最後まで続いた。ホールの残響に助けられて、初めて聞くひとたちには分からなかったかも知れないが、アンサンブルとしては惜しまれるステージとなってしまった。後で聞いたところによると、ステージ上では自分自身の音以外が聴き取りにくかったということ。これはサウンドチェックの時にもなかったことだったので、落とし穴だった。次回からの教訓にしなければならない。この時浮かんだアイディアは、バッハの「音楽の捧げ物」の「6声のリチェルカーレ」を編曲して、アンサンブルの練習曲として使うこと。ロケーション・リカバリーやテンポ・リカバリーのための最善の練習曲のひとつとなるのではないだろうか。
 ステージ終了後、Hさん親子と会場で合流したFさんを作曲工房にお持ち帰り。去年の5月に作曲工房にお招きしますと言っておきながら果たせていなかった約束を果たすチャンスとなった。短い時間ではあったけれど、一緒にピアノを弾いたりして楽しい時間を過ごした。
 
 夕食時にテレビのニュースを見てびっくり。チリで大きな地震があった。実は、わが家のオンボロ・アナログテレビは地震前に画像が乱れるという現象があり、今回も数日前から画面に激しいノイズが入っていた。昨日の与那国島のM5.6でもノイズは消えず、今日未明の沖縄本島近海のM6.9でも消えないので、今朝「これからもっと大きい地震が来るのかもしれない」とカミさんと話していたところだった。だからと言ってテレビで確実な地震予知ができるとは思っていないが、テレビノイズと地震の関係を注意深く観察することくらいはしてもよいだろう。
 ニュースによると今回の地震、仮に「2010チリ地震」と名づけるが、M8.8の大地震だったようだ。津波は明日28日午後早く日本に到達する見込み。その高さは1mほどにもなる可能性があるという。入り組んだ湾などではさらに高くなるかも知れない。例によって情報は少なく、被害の規模などはまだほとんど分かっていない。
 「1960チリ地震」は、史上最大規模のM9.5を記録している。この時も22時間後に日本に最大6mの津波が到達し、三陸海岸沿岸で大きな被害が出ている(死者142人)。
 大地震対岸の火事ではない。もし関東地方で大地震が起これば、私たちもいとも簡単に家を失うことになる。自然災害の場合は補償がないだけではなく、家のローンだけが残る。地震保険も、最大で建物の評価額の半額しか加入できない。もっとも命だけでも助かれば幸運と言うべきかも知れない。