5月26日(水)

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 午前中は坂本先生のレッスン。今日はバッハ。
 バッハの楽譜、たとえば平均律曲集は実に数多くの楽譜(原典版校訂版)が出版されているけれども、決定版はないと言える状況。
 とあるピアノレッスンサイトに次のような文章を発見。

「バッハの楽譜は、昔の日本ではスラーや強弱などが入った校訂版を使うのが一般的だったので、それに慣れてしまっている指導者やピアノ学習者も多いと思いますが、昔に比べるとバロック時代の音楽とバッハの研究はかなり進んだので、今では原典版楽譜でバッハを勉強していくことが、非常に大切になっています」

 これは、現在の混乱した状況をそのまま反映しているのかも知れない。文章そのものが混乱している。研究が進んだのなら、その研究を盛り込んだ校訂版を使うべきだろう。原典版を使用すべきだとしたら、それは信頼できる研究が見当たらないので仕方なく自分でやるという覚悟がある時ではないのか。
 もし市販の楽譜を使うのなら私自身はバルトーク校訂版を推薦する。
 バッハはデュナーミクを表現しにくいチェンバロなどの鍵盤楽器を想定して作曲しているので、ピアノで弾く場合にはピアノの表現力に即した校訂版が必要となるのは当然。原典版は、校訂情報を得るために持つ。