6月1日(火)

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 昨夜は明け方4時まで「音楽の学校“スコラ”」の録画を観てしまった。もっとも観始めたのが3時なので長くテレビモニタの前にいたわけではない。
 各シリーズが4回で、現在第3シリーズ「ドラムとベース」の第1回が終わったところ。第1シリーズは「バッハ」、第2シリーズは「ジャズ」だった。
 「ドラムとベース」のゲストはYMO細野晴臣(ベーシスト)と、高橋幸宏(ドラマー)。そしてピーター・バラカンの3人。
 坂本龍一(1952.1.17)さんが、「細野さん(1947.7.9- )」「ユキヒロ君(1952.6.6- )」と呼び分けていたのを聞いて、ここにも先輩(4学年上)・後輩(1学年下)の関係があったのかと知って興味深かった。YMOは体育会系だったのだ。 
 「スコラ」では音楽を学ぶよりも、坂本龍一的音楽観を知るほうがずっと興味深く、ためになる。ジャズのシリーズでは、ゲストがフリージャズの山下洋輔さんであったために、最終回はドライブ感たっぷりのセッションで幕を閉じたが、教授(坂本龍一)の世界は、巧妙に計画されたテンションコードの連続によるモダンジャズに近いらしいことも感じ取れた。バッハのシリーズでは、バッハから平均律が響きとしてではなく、音楽システムとして用いられたということを別の表現ではあったが語っていた。それはまさに本質であって、過去の音楽史ではなかなか登場しない視点であったので拍手。
 音律の専門家による書物では長3度の響きなどについては事細かに語っていても(音響学的にはそちらのほうが重要)、しかし、作曲家からみると個々の調性の制約(有調・無調という意味ではない)から開放される平均律システムは可能性が大きい。私のように12音であっても調性的感覚を決して放棄しない、あるいは部分調なので大局的に見ると調性はあいまいだけれど、聴いていると一瞬たりともも調性感が失われないというような音楽を構築するためには平均律が欠かせない。バッハは、螺旋カノン(音楽の捧げ物)や、3声のシンフォニア第9番などでその有用性を示した最初の作曲家である。
 時間の制約によって深く踏み込めない部分が多いけれど、よくよく読み取れば重要な一言が入っているので、録画した人は繰り返し視聴してキーワードを探し出す価値がある。
 ドラムとベース第1回の最後には、メンバー3人が揃ったのでYMOスペシャルライブ。
 坂本龍一の代表作のひとつとも言える「千のナイフ」。キーボードを弾く教授は間違いなく坂本龍一であったが、この曲を作曲した当時に比べて、圧倒的な巨匠となってしまった彼は、スカスカと感じる(まさにそのように見えた)キーボードパートを退屈そうに、むしろ居心地悪そうに弾いていた。それとも、それは私の思い込みの投影だろうか。
 
 私が影響を受けたドラム奏者を2人紹介。最初はネイティヴ・サンの村上寛さん。下にリンクしたスーパー・サファリの33秒あたりから始まる彼のリズム感の凄さに圧倒されるはず。この場所に、あなたならばどのようなリズムを持ってくるか考えてみてください。

http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=NnaqEZ7Z1X0

もうひとりはリターン・トゥ・フォーエヴァーアイアート・モレイラ。曲のタイトルもそのまま「Return to Forever」をリンクします。1分15秒から始まる混合拍子(何拍子であるかはご自分で考えてください)のリズムをあなたならどのように作り出すだろうか。スタンリー・クラークのベースも素晴らしいので、お聴き逃しないように。

Return to Forever Return to Forever Part 1
http://www.youtube.com/watch?v=wZ0Al3wCw8U

Return to Forever Return to Forever Part 2
http://www.youtube.com/watch?v=nZUxdvOh91M&feature=related

 
おまけ
5月の発電量。490kw/h。うち余剰電力量259.1kw/h。東京電力への販売電力料金は概算で12437円。対して購入電力料金は10505円。1932円の黒字。(基本料金含まず。東京電力の検針期間とはズレがあるため金額には誤差があります。太陽光発電には初期コストがかかっており、規模によって、その回収には15年から30年程度かかることがあります)