10月10日(日)

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 今日は2010-10-10。駅の入場券を買えばよかったと今になって気づいた。
 今日は午前・午後・夜間と全てレッスンが入っていると思い込んでいたが、夜間は明日だった。というわけで、夜はたまっていたTV録画をいくつか観た。
 最も興味深かったのはワンダー×ワンダーの「銀閣(東山慈照寺)」。1986年の修復工事で金箔を貼り替えたばかりの金閣を見た時には痛く感動した(それまで金ピカは安っぽくて趣味が悪いと思っていた)ものだが、今夜は銀閣にも感動。
 銀閣足利義政によって建てられた「月見」のための建築だった。銀閣は義正が「月待山」と名づけた山に向かって建っており、1階から月の出を楽しむことができる。しかし、それもわずか20分ほどで月がひさしの上に隠れてしまうので、今度は2階に昇って池に映る月影を楽しむ。池の中央には月を模した円形の石があり、月は一度そこに重なる。再び月は水鏡を進んで池から離れる。そして今度は、2階から続く渡り廊下(今はない)から別棟に移動して、月が沈むまで、その姿を愛でることができるという。
 考えてみれば、月見ほど贅沢なものはないだろう。
 熱心な天文ファンだった子どもの頃には、月明かりのない空だけが観望対象だった。天文年鑑にも「月明」と「月暗」を区分するグラフ式のカレンダーがあって、銀河・星雲・星団も、流星群も彗星も「月明」時にはよく見えなかったから「月暗」のみを選んでカレンダーに記入していたものだ。つまり、月は邪魔者であって、少しも歓迎されない存在だった。
 いまは違う。全く違う。月を見ずしてどうするのだ、というくらい月好きである。そんな時に、こんな番組を観てしまったのだから、今夜は「自分の銀閣を建てるぞ」とまで思ってしまったくらい。そもそも、月と星は不眠症のためにあるのではないか(急に気づいた)。