2月6日(日)

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 昨夜(今朝未明か?)は、日記のタイムスタンプを見ると3時1分に「もう寝る」などと宣言していたのに、結局入浴したりなんだかんだしているうちに5時15分になってしまった。それから慌てて眠ったので、ちょっと寝坊。
 今日は数学者のM先生の作曲レッスン。
 彼は大量の課題をこなしてくるけれど、発想の源(みなもと)はEL&Pを代表とするプログレッシブロックにある。それは全くマイナスにはならないが、人類が今までに到達した音楽的地平線を学んで、その視点に立てなければアマチュアで終わってしまうかも知れない。そうさせないことが今の私の仕事で、そうならないようにすることが彼の仕事だ。
 今年、昔の教え子たちから届いた年賀状や寒中見舞いには「あっという間に40歳になってしまいました」というものが何通もあった。毎日一生懸命生きているように思っていても、自分の殻を破らないと平々凡々と時は過ぎていくものだ。人生とは通常はそのようなものであって自然であると思う。
 しかし、芸術を志すなら事情は少々異なる。
 音楽に関して言うなら、技術的な進歩は徐々に進んで行くが、音楽観は階段状に不連続に進む。ソナチネアルバムを弾いていたおちびたちが “ベートーヴェン” や “ショパン” に出会ってしまうと一週間で “お姉さん” “お兄さん” になってレッスンにやってくるのはその一例だろう。大人だって同じだ。今まで自分には関係がないと思っていたシェーンベルクの美学が聴こえてしまったら、音楽観は大きく変化することだろう。
 私たちは音楽的に成長すると同時に、変化し続けなければならない。そうでなければ、それこそ平々凡々たる音楽家にしかなれない。
 脱皮のような進歩は作曲工房一門の掟としたいくらいだ。