4月21日(木)

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 午前中に、ウラノメトリアを発注した印刷会社から「納期が早まって、明日朝には出来上がります」という連絡が入った。震災の関係で納期が長くなると聞かされていたのでちょっと嬉しい。
 予想していたことではあるけれど、既刊の2αと新しい2αの違いは何か、あるいはどちらを入手すべきかという問い合わせがあった。これにはどのように答えればよいだろうか。
 楽譜を手にした時、買おうと決心するきっかけとなる「キラーコンテンツ」というものがあると思う。既刊の2α「音楽理論・テクニック収録版」は、キラーコンテンツがいくつも収められている。「音階の成り立ち」というページを読んだら、音響学的に音が選択されて音階になっていく道筋や、教会旋法長調短調になっていく理由など、きっと勉強したいと思うに違いない。「打鍵と離鍵」だってそうに違いない。ピアノ演奏にまつわる上部雑音と下部雑音について詳しくまとめた初歩の教本はそう多くないことだろう。ピアノの着座位置ひとつとっても、きちんと知りたいと思う人はいるはずだ。ペリオーデ分析に至っては指揮科にでも在籍しない限り、なかなか出会うことすらできないだろう。
 ところが2α追加エチュード収録版では、それらキラーコンテンツの多くをあっさりと斬り捨ててしまった。
 その代わり、追加エチュード版には新たなキラーコンテンツが加わったと確信している。「ウラノメトリアといえば第1巻」のようなところがあって「ミだけで」や「はじめてのステージ」の根強い人気には歯が立たないところがあったのだけれど、新刊2αのappendixと名づけられた12曲の追加エチュードは、第1巻とは異なる魅力を放っているはずだ。第1巻の後を追ったところで、すでに出来上がったイメージを超えることは難しい(映画の「2」のようなもの)。だから一連のapprnndixは、それ自体が2αの顔になっていると思う。「2αといえばappenndix」のように。頒布前から何を言っているのだ、と叱られそうだが、子どもたちからもピアノレスナーの皆さんからもすでに多くの支持をいただいており、2αそのもののイメージがappendixたちによって語られることになると予想している(なんだか、すごい自信)。
 というくらい新しい2αの刊行が嬉しい、ということでお許しいだたこう。
 どちらの版を手に入れても後悔はさせませんから、ご安心を。