10月1日(土)

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 早いもので、もう10月だ。
 3.11の時に考えた “最悪の事態” は日本に住めなくなることだったが、少なくとも10月1日までは居住可能であるということが分かった。しかし、この先は誰にも分からない。
 
 人は生まれてしまったら、今のところ公式には誰も死を逃れた者はいない。それと同じように、宇宙だって寿命がある。宇宙の寿命と地球や人類の寿命は全く異なる。
 その一つが宇宙の熱的終焉。
 我々は「スープが冷める」という表現をするが、それは同時に熱いスープが周囲を温めたと言い換えることもできる。周囲とスープの温度が同じになって熱の移動がなくなった状態が熱平衡だ。温度差が大きいとき、エントロピーは小さく、温度差が小さくなるにつれてエントロピーは増大するとボルツマンが定義した。正確には熱エントロピーというのだけれど、熱エントロピーは常に増大する。
 仮に宇宙が相対論で表されるような単純で一様な世界で、光速が宇宙の制限速度であって、E=MC2乗が厳密に成り立つとする。エントロピーは常に増大し続けるから、エントロピーが最も小さかったのは宇宙開闢の瞬間だったということになる。逆に、いつかは宇宙の温度がどこも等しくなる時(熱的平衡)が来ることになり、それが宇宙の熱的終焉。
 宇宙が永遠なのか終わりがあるのか予想もつかないが、人類の寿命など、それに比べれば遥かに短いことだろう。
 
 と、ここまで書いたところで、Eテレの「スコラ」を観てきたので間が空いてしまった。今夜は古典派の第1回。30分では、ちょっと物足りなかったので来週の第2回を待つことに。
 ついでに「弾丸トラベラー 週末のシンデレラ」という番組で菅野美穂さんがマチュピチュ遺跡を訪れる番組も観てしまった。飛行機に乗らずに済むなら行ってみたいところだ。遺跡の石組みが日本の江戸期の城壁と同じなので、少々驚いた。ものすごい技術だ。人間の底力を感じた。科学や技術は進歩したが、現代人の人間力は少しも伸びていない、あるいは後退したことを感じてしまう。
 ところで、スコラを観に行く前には何を書こうとしていたのか忘れてしまった。おそらく、先のことなど心配しても仕方がないというようなことを書きたかったのだろう。

 今日は「広場の踊り」が進み、コーダへの接続部分を残すのみとなった。書くのが楽しい曲なのでずっと完成しなければいいと思ってしまうのだが、そうもいかない。明日には書き上がるか?
 あ、急に閃いた。以前もどこかに書いたけれど、宇宙がE=MC2乗が成り立つような単純な世界であるならば、宇宙の最高温度を求めることができる。たったひとつの電子ニュートリノを残して、すべての物質をエネルギーに変換してそれを、そのニュートリノに注ぎ込めばよい。ところが、宇宙は単純ではないことが徐々に明らかになりつつあるから本当のことは分からなくなった。なにしろ、すべての物質をあわせても宇宙の数パーセントにしかならないというのが新しい宇宙のパラダイムなのだから。
 音楽も、きっと影響を受けて変化が起こることだろう。