2月1日(水)

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 「2台ピアノのためのソナタ(2004/2010)」の初演が一ヶ月後となった。リハーサルも始まるので、あらためてスコアのチェックを行なった。作曲家が自分の曲をいい曲だと思うのは当たり前だけれど、スコアを前にして頭の中で音を鳴らしては「なんていい曲なんだ!」といちいち口に出して一人感激していた。
 モリアキ翁が上野千鶴子さんの「おひとりさまの老後」を注文して読んでいたけれど、あの論旨は、年金逃げ切り世代の女性高齢者は自由を謳歌できるのだから一人だって怖くないというようなものだったと思う。しかし、音楽の感動を分かち合うことがなければ私は孤独を感じてしまうことだろう。
 第1楽章を歌っている時は「第1楽章が人生の最高傑作に間違いない」などと恐ろしく断定的な気持ちになるのに、第2楽章を歌い始めると「やっぱ、第2楽章だよ〜♪ これ最高じゃないか」、そして第3楽章に入ると「なんだかんだ言っても第3楽章しかないね」とまあこんな調子で、今日一日とても幸せだった。

 それから、昨年11月23日に広島で演奏された「フルートとピアノのためのソナタ(2007)」の録音を収めたCDが今日届いたのだった。これがまた幸せな体験で、2012年の良いことが今日一日に全部起こってしまったかも知れない。
 これからも再演される曲を書き続けないと、この喜びは味わえない。
 私の曲を演奏してくださる全ての皆さんに心からの感謝を。

 (ちょっとハイになっていますが呑んでいませんよ。キリンフリーだけです。ホント)



>映画「ピアノマニア」の予告編。東京圏では「シネマート新宿」(東京都新宿区新宿3-13-3 新宿文化ビル6・7F - 03-5369-2831)のみの上映のようです。一度でもチューニング・ハンマーを握ったことがある人はもちろん、ハンマーフェルトのことなど考えたこともないという人でも、きっとピアノの知られざる魅力に気づくことでしょう。(この情報は「野村茎一の世界」で調律を担当してくださった中山宏一さんからです)

映画『ピアノマニア』予告編