10月11日(土)カワイ表参道

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 昨夜は就寝が未明04時30分頃になってしまった。実を言うと、私は眠れないのではなくて眠りたくないのだ。睡魔が訪れようとなんだろうと眠ることに抵抗してしまう。昨夜は午前2時頃まで録画しておいたテレビ番組を観て、それから再びPCを起動して音楽コラムを1本書き上げた。さすがに4時過ぎになると不整脈などが出てくるので、しぶしぶベッドに向かったという次第。これは、もう間違いなくビョーキだと思うのだが、不眠症の逆で避眠症とでも名づけたらよいのだろうか。他に知っている症例では「中原中也」がいる。彼も眠ることが忌まわしかったらしい。

 午後から、高綱先生の小さなお弟子さん3人組の演奏を聴いてきた。ウラノメトリア編集会議のメンバーが揃うのは3週間ぶりくらい。
 今回は、私にレッスンの“抜け”があったと白状しなくてはならない。おちびさんたちは、3人とも頑張っていた。高綱先生を含めて彼らに非はない。実際、彼らが演奏を終えてから始まった他教室の生徒たちのハンマーフェルトを潰さんばかりの打鍵と棒弾き演奏にはいつもどおり危機感を感じたからである。
 ピアノの前に座ったら、たとえそれが未就学の子どもであっても子ども扱いしてはならない(もちろん音楽的な意味で)。子どもは、子どもとして接すれば、見事にその期待される役割を演じるものだ。ピアノ演奏における子どもらしさと、幼稚さは異なるものだ。レッスン時に高綱先生が見事な表現をするので多少安心して私が油断していた。今日の3人は、音楽的な意味で年齢の差別なく接すれば、さらに素晴らしい演奏をしたことだろう。次回レッスンからの私の課題。高綱先生には深くお詫びしなければならない。
 開演に先立つカワイ表参道副店長殿の挨拶は、少々お粗末ではなかったか。意味のない余計な文言を並べるのならば、世界に誇る素晴らしいフルコンの魅力を営業的な宣伝ではなく、ピアノを愛する者として手短に伝えられたのではないか。ショパンコンクールで公式認定されているという、まるで学歴で人を紹介するようなことだけではもったいない限り。
 
 日没が早まり、レッスンが終わると暗くなってしまう季節を迎えると、なるみちゃんと最寄り駅まで歩く。毎週のように道の両側の景色が変わる。去年の冬にはあった「猫工場」もしばらく更地だったが、今日はコンクリートの基礎工事を終えていた。コンビニの前の畑も洒落たアパートが建ち、運送会社の跡地にも次々と住宅が建設されている。毎週写真を撮ってアルバムに並べたら面白いだろうとも思うが、そのエネルギーは作曲に向けたい。