2月13日(金)・14日(土)

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 年末・年始に話題になった日比谷公園の「年越し派遣村」は、男性ばかりが集まり、女性の相談者が非常に少なかったということだった。その理由は、女性が派遣村を嫌ったからではなく、身を寄せる友人宅などのネットワークがあったからだと言われている(そのような調査結果もでているらしい)。
 つまり、男性はいざという時の人間関係を築くことができていない人がいるということだ。しかし、それは個人の資質だけが原因なのではなく、社会構造、あるいは社会が期待するジェンダーにも遠因があるのだろう。
 人は“真実”よりも“分かりやすさ”に目を向けてしまうのが性(さが)であって、社会に出るにしても“用意された仕事”に従事するのは自然なことである。だから用意されたジェンダーに適当するのもごくごく当たり前なことだろう。美輪明宏さんの時代には彼(彼女)の生き方は大変なものであったことだろう。しかし、一度道ができてしまうと追従者は楽になる。
 私自身は、というと経済活動としては、どの組織にも所属しておらず身分は無職と同等。しかし、先人としてベートーヴェンがいてくれたお陰で、フリーでやっていくための道筋がないわけではない。ところが、完全に収入の道が断たれたときのセーフティ・ネットはあるかという問題になると、やはり派遣村に頼ることになりそうだ。