2月25日(水)

17969

 グーグルの検索急上昇ワードで「セレンディピティ」が第1位になっていた。きっとテレビで扱われたのだろう。どのように扱われたのかは分からないが、こういう言葉なら茂木健一郎というキーワードを加えて検索すればいい。案の定、彼のクオリア日記2005年4月30日と2004年11月29日に関連記事があった。なるほど、なるほど。
 よく「運も実力のうち」という言い方をするが、これは本当は「棚からボタモチ」ではなく、チャンスを逃さない力があることを指すのだと思っていた。セレンディピティというのは、たまたま出会った「読み解くことに意味ある出来事」から答えを導き出すことで、まさに幸運をモノにする力だ。運は実力がなければ“運”にならないことのほうが多いのかも知れない。
 作曲なんてセレンディピティが8割と言っても大げさではないだろう。人はそれほどインスピレーションに恵まれているものではない(もちろん、特別な人はいる)。能力としてのセレンディピティがあれば、他者のインスピレーションだって自分のものだ。たとえば、画家のパウル・クレーの絵は音楽的なインスピレーションに充ち満ちている。絵画からならいくらインスピレーションを受け取っても決して盗作にはならない。クレーは音楽を絵にしようとしたらしいから、彼も同じことを考えていたのかも知れない。