3月13日(金)

19523

 水曜日のレッスンでは、タンジェリン・ドリームの創立メンバーのひとりでもあったクラウス・シュルツェの「Nowhere-Now here」を聴いた。この曲を聴くようなレッスンの機会があるとは思ってもみなかった。インドの伝統音楽に近いスタンスで書かれているので、床にあぐらをかいて聴くのが似合う。私はあぐらのまま上半身を広隆寺弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつ はんか しゆい ぞう)のようなポーズで過ごした。30分もかかる交響曲サイズのプログレッシヴ・ロックだが、あっという間に時間が過ぎていく。こんな名曲がほとんど知られることなく眠っていること自体が不思議だが、地球上の音楽全体から見れば、むしろ名曲の多くが未発掘であるのかも知れない。
 知り合いの合唱関係者でヒンデミットの「6つの歌」を知っていたのは2人だけだった。何を以て名曲というかは難しい問題だが、少なくともその曲に触れる機会がなければ好きも嫌いも判断できない。曲の紹介もレッスンの重要な機能・要素だろう。