5月16日(土)

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 今日は夕方のレッスンが終わってから、カミさんと上野の東京国立博物館で開かれている「阿修羅展」に行ってきた。
 阿修羅さまとお会いするのは初めてではないが「ナマ阿修羅像」は未体験。興福寺ではガラス越しだった。
 どうして、今ごろ急に阿修羅ブームがやってきたのだろうか。昼間は入場制限がかかるほどの人気であるときいた。それで夜8時までの延長公開日を狙ったのだが、夜7時でも展示室は人であふれている。入場が打ち切られる7時30分過ぎまで、他の展示を見る。
 阿修羅像を含む八部衆像では、迦楼羅(かるら)立像が素晴らしい。からす天狗のように鳥の頭部を持つ仏像。十大弟子像では須菩提(すぼだい)立像が秀逸。
 7時30分になって、阿修羅像の展示室は多少空いてきたものの、人の波に沿ってゆっくりと周囲を巡る。側面や後ろ側に回ったのも初めて。実に美しい。1300年前も今も人々の心を打つということは、人間はそれほど変わっていないということだろう。手作りするということに限っていうならば、昔も今も時代に依存するのではなく、個人の技量と志の問題に帰することになる。だから時代が新しくなってもバッハやベートーヴェンを超えることは難しいのだ。
 阿修羅像には、一生のうちに一度はお会いしたほうがよいかも知れない。