6月8日(月)

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 午前中は父の定期通院に付き添う。今日は月曜日ということもあって患者数が多く、薬局での待ち時間を合わせると、持っていったレイチェル・カーソンの「われらをめぐる海」を半分も読み終えるほどだった。「われらをめぐる海」は1990年以来の再読。半世紀も前に書かれたので、地球の年齢など古いデータも少なくないが、実に詩的な科学書になっている。残念なことは、こんなにポエティックなのに翻訳が「翻訳調」であること。翻訳と楽譜の校訂は似ている。コンティキ号の航海を終えて間もないヘイエルダールとの手紙のやりとりなどは、本当にワクワクする。私自身、小学生の頃に、大人になったらイカダで太平洋を渡ると決めていたくらいのヘイエルダール・ファンだった。
 レイチェル・カーソンを知らなかったら「銀むつクライシス」や「シャドウ・ダイバー」も読むことがなかったかも知れない。彼女は、海を通して私に英知とは何かを教えてくれた。