6月30日(火)

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 今日、レッスンに訪れたピアノの先生は、入門待ちをしていた生徒7人が加わり門下生が増えたと報告してくださった。それどころか、住まいと教室を別に持ったということで、ピアノ教室の生徒減少が社会的変化(学習塾などの週5日制)や経済的不安という理由にばかりはできないことが明らかとなった。“本当の”レッスンをしていれば、“本当の”レッスンを求める人たちが定着するのは自明の理ということだろう。
 実を言うと、もう一人、現在ピアノ教室を新築中の方もいて、プランニングに協力させていただいている。こんな経済不安の中でもがんばる人はがんばっている。
 音楽(音楽に限らず、おそらく生きることの全て)は一切ごまかしが効かず、私たちは常に真実に近づくための努力を怠ることができない。もちろん無理をすれば努力は続かず、誤った方法をとれば何もしていないのと同じことだ。人生には運・不運もあるし、健康差も、生まれながらに才能を持った人もいる。それでも、志だけは、かなり平等なのではないか。
 その平等というのは、日向(ひなた)の樹と日陰の樹が、それぞれ自らの受ける日射と根から吸い上げる水や養分を無駄にせず生長するのにもたとえることができるだろう。植物は、成育環境が多少悪くとも不平ひとつ言わずに、与えられたものを精いっぱい生かして育つ。植物だけではない。大部分の野生動物もそうだろう。周囲のいたるところに生きるお手本が満ちあふれているということだ。
 私など道端のペンペン草と比べても、まだまだ育つ余地だらけだ。