9月15日(火)

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 森田ピアノ工房のお父様、裕之さんから演奏会のDVDを送っていただいた。お礼のメールがまだだが、全部聴いてから感想を書いて送る予定。ピアニストが重力奏法で弾いているということに、裕之さんがお気付きになられたという内容のメールを前もっていただいている。そういう“気づき”は素晴らしいことだ。
 厳密に言うと、重力奏法そのものは現代のピアノ弾きの基本なので、ピアニストなら誰もがそのように弾いていると言っても過言ではない。しかし、裕之さんが仰りたいのは「ハンマーフェルトをつぶさないような」ピアノにとって極めてオプティマルな打鍵をするピアニストに出会ったということだろうと映像を見ながら思った。どんなに森田ピアノ工房がチューンナップしたピアノが美しい音を出そうと待ちかまえていても、それを理解するピアニストが弾かなければ、ピアノの能力を引き出すことは難しい。
 作曲工房関係者なら、“ちびなな”でもOKだ。なぜなら、打鍵はクオリアなので直接聴けば小さな子どもでもすぐにできる。というよりも、それしか知らなければ、ピアノはそのように弾くものだとしか発想しないだろう。レッスンの重要性はここにある。
 さて、昨日今日とインスピレーションから見放されている。こういう日はHDレコーダに録画された番組を観たり、ウラノメトリアのプロジェクトマネージメントのためのリストを見直したりして過ごすのが一番。ついでに不定期便で「台風」について書いた。子どもの頃から台風には興味があった。小学校の頃から図書室にあった気象関係の書籍には、ほぼ目を通した。実際に台風が接近すると、自作の雨量計と「風力計」を自宅の窓から見える屋外に設置して、自称「台風観測」を行なっていた。
 その風力計というのが実に傑作。風向計の原理で常に風上を向くように(windward)工夫した装置に、錘(おもり)つきの短冊のようなものが下がっているだけの単純な装置。風が吹くと短冊が持ち上がる。分度器もつけて風力段階が分かるようにしたが、実際は、まるで役に立たなかった。風は落ち着いて吹くことがなく、短冊はバタバタするばかり。雨量計はガラス製の試験管を利用したものだが、こちらは見事に機能した。
 日本は地震の震度段階も世界標準から外れているけれど、台風の定義も異なっている。しかし、日本の実情には合っていると思う。国際標準にしたらかなり強い台風以外はすべて単なる熱帯低気圧になってしまうからだ。詳細は夜の不定期便を参照のこと。天気予報用語も少しだけ載せている。