1月4日(月)

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 母親の体調が思わしくなく、2世帯分の家事をカミさんと分担。
 家事の合間に、ソナチネ第5番(1987)で唯一決定稿となっていなかった第3楽章のインスピレーションがやってきた。5番は第2楽章が良く書けてしまったために、第1・第3楽章がどうしても単調に思えてしまう。各楽章のバランスをとることは思いのほか難しいのだが、第5番がそれが特に際立っていた。第3楽章に至っては、なぜこのような曲を書く気になったのだろうかといぶかしく思うほどだが、なんとかなるならなんとかしようという気でいた。それで、今日なんとかなったかと問われれば、ならなかったと答えるしかないのだが、それでも少しは変わった。
 今日のテレビ番組表に「超能力なんとか〜」というものがあったが、作曲を勉強するということは、超能力のトレーニングをするのと似ているのかも知れない(私は超能力については知らない)。というのも、和声学や対位法にしてもテストで100点を取るには勉強すればよいが、作曲はそんなことでは無理だからだ。心の耳にしか聴こえない音を聴き取るのは理屈でもなんでもない。インスピレーションとは自分の考えが事実と符合することであり、発明と同じだ。発明のアイディアが事実と食い違っていたら実現することはない。
 明日からは2軒分の家事を全て私ひとりでこなすことになる。
 ウラノメトリア3アルファ、ベータの刊行は自動的に数ヶ月遅れとなることだろう。その代わり、インスピレーションだけは大量に貯めこむことができるに違いない。