2月13日(土)

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 朝から雪。と言っても霧雨が雪になったような細かい雪。
 午前のレッスンを終えてからウラノメトリア3アルファの冒頭を飾る第1曲を書き進める。というのも、現在の第1曲は「大きな木」という曲で、人気曲ではあるけれど第1曲目には似合わないと感じていたからだ。「旅の始まり」とか「冒険への旅立ち」というイメージで書き進めたいと思っていたがインスピレーションがやってこなかった。昨日、三枝君から新曲の楽譜が送られてきて、その刺激でアイディアが湧いた。楽譜が送られてくると、大抵の場合、1音符に至るまでできるだけ丁寧に読み込む。当然のことながら作曲者はその楽譜に非常に詳しく、こちらも同じくらい詳しくならなければコメントできない。数日前に送られてきた絵里子さんの楽譜も明日がレッスンなので読み込んである。こちらは1小節に30から40音符もあるのでかなり気合いが必要。2人とも天才っぽいので凡人の私としては気合いが武器だ。
 午後に少しだけユリちゃんと受験対策をして(私は彼女の家庭教師などしていない。あくまでもレッスンの一部)、“風”と一緒に母の病室へ。
 夕方遅く帰宅。夜のレッスンがなくなったので、この一週間にハードディスク・レコーダーに録画した番組からいくつかをまとめて視聴。
 地球ドラマチックの「ハッブルを救え!宇宙望遠鏡補修ミッション」は、楽しみにしていた番組。
 宇宙望遠鏡の計画を知ったのは少年時代だったのではないだろうか。月の裏側に電波望遠鏡を設置したら超低ノイズ画像が得られるだろうという話にも胸躍らせたものだ(こちらはまだ実現していない)。ハッブル宇宙望遠鏡(以下、HST)は1985年には完成しており、打ち上げは1986年の予定だった。しかし、スペースシャトルの爆発事故で打ち上げが延期になり、1990年にようやく軌道上に上がった。しかし、反射鏡の焦点がわずかにずれていることが判明し(詳細な技術解説は関連する書籍が出ている)、補正レンズの取り付けという大規模な修理ミッションが決定した。ところが、1991年にNASAが驚くべき離れ業をやてのけた。画像処理で収差を補正してみせたのだった。その精細な画像(土星だったか?)が天文雑誌に掲載された時には驚いたものだった。その後HSTは1993年に第1回補修を受けて本来の性能を取り戻した。設計寿命は15年だったが、1997年、1999年、2002年に補修ミッションを受けて運用寿命が延長された。さらに2009年に最後となる補修ミッションが行われた。その様子が今回の番組になっている。HSTの運用が延期されたことによって、後継機であるジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡に継ぎ目なく引き継ぐことが可能となった。しかし、ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡は赤外線に特化しており(深宇宙からの光はドップラー効果赤方偏移して赤外線になっている)、HSTの代わりができるわけではない。
 HSTばかりが有名だが、今では宇宙望遠鏡の数は日本の新幹線の種類よりもずっと多くなっている。日本も「すざく」や「あかり」などを打ち上げている。
 もうひとつ録画再生したのが「ガイアの夜明け」の「不況を突破する働き手たち」。高齢者雇用によって成功している例を紹介。かなり特殊な例なので一般化して考えるのは難しいかも知れないが、少子化が続けば労働力が不足する時代がやってくることは考えられる。その時、技術のある高齢者には雇用の機会がやってくることだろう。しかし、非正規雇用環境でスキルを上げることができない人生を送らざるを得なかった人たちは、自分で技術を学んだり磨いたりしなければならないことになる。仕事というのはプロフェッショナルを生む環境が望ましい。そのような環境にあれば誰もがプロフェッショナルになれるというわけでもないが、環境だけでも整わなければプロは生まれにくくなる。
 長くなったので作曲に戻る。