3月7日(日)

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 「わらびクラシックフェスタ」当日だというのに、朝から雨のぐずついた天気。
 開場前にホールに到着したが、悪天候であったことと入場待ちの列が屋外にまで及びそうであったことから、開場予定時刻前に入場が始まった。
 8割以上の入りは、雨天にしては上出来。
 ソプラノの山舘昌代さんが、司会進行を兼ねてステージが始まった。冒頭に、蕨市には数多くの音楽家が住んでいること、また、その理由として、音楽家の仕事場として上野の文化会館まで20分、サントリーホールも渋谷のオーチャード・ホールにもアクセスが良いこと、東京から荒川を越えただけで家賃が安くなること、スーパーマーケットが24時間営業であることなどが挙げられた(帰宅の遅い演奏家にとっては重要なポイントか)。それから、イタリアの声楽家(ソプラノ?)が蕨市民会館コンクレレホールでCDの録音を行なったとき、ホールの響きの良さを絶賛したということも話されていた。
 山舘さんが現在の住まいに転居してくる時、不動産屋さんに「近所に音楽家は住んでいらっしゃいませんよね?」と聞いて「住んでいません」ということだったのに、隣にはピアニストとフルーティストが住んでいた(別の階に)。そのひとりが今日のフルーティスト甲藤(かっとう)さちさん。また、甲藤さんと同じ東京交響楽団トロンボーンの鳥塚心輔さんが蕨に住んでいるのは全くの偶然だそうで(鳥塚さんはホールのすぐ近く)、同じ駅を使っているのに二人が通勤などの途中で出会ったことは一度もなく、24時間スーパーでバッタリ出会ったことが1度あったきりだそうだ。
 というような話が演奏の合間に挟まれてステージが進んでいったのだが、今日の演奏は、どれも見事。とくにトロンボーンの鳥塚さんがバッハのチェンバロ協奏曲第5番第2楽章を伴奏なしのソロで演奏した時、最初に味わい深いピアノを弾かれたのには驚かされた。その後、トロンボーン1本で伴奏とメロディーを両方見事に演奏。
 私の「アリア」はリハーサルどおりの仕上がり。気のせいか、聴衆の皆さんがもっとも静まり返って聴いてくださったようにも思えた。演奏終了後、蕨には作曲家も住んでいますと紹介されて暖かい大きな拍手をいただいた。
 最後のゲイリー・ショッカーのトリオも、昨日のリハーサル以上と思える演奏だった。今日のコンサートは“お得感”たっぷりと言えるだろう。音楽不況の中で久しぶりに元気なステージを聴かせて頂いた。
 帰宅後、北辰テストを終えたナナちゃんがやってきてレッスン。
 明日から2日間は、娘の“たろ”の大学入試実技第2次試験。頑張ってくれたまえ。