7月2日(金)2台ピアノソナタ第1回リハーサル

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 バルトークのオケコンの著作権が既に切れている(高校生の頃は作曲後まだ30年だった!)ことを思い出して、第2楽章の一部を編曲してウラノメトリアに収めようと思い立った。かつて耳タコになるほど聴き込んでアナリーゼした曲なので、思い立っただけでほぼ完成している状態。他人の曲をトランスクリプトするだけだけだが、それでもインスピレーションがなければ無理だったろう。スネアドラムは弾きながら自分で歌う形式。技術レベルからみて、ちょうど3ベータにぴったりな印象。それにしても、つくづくバルトークは天才だと思う。
 夜7時(といってもまだ明るい)から、ピアニストの田中順子さんのお宅にお邪魔して「2台ピアノソナタ」の第1回リハーサル。ピアノ室にはグランド2台とアップライトの3台が収まっていた。ピアニストはピアノ持ちが多い。5台持っている人を知っているけれど、ミケランジェリは7台持っていたそうだ。
 田中さんはセコンドで、プリモは坂本景子さん。4手連弾版ではセコンドが優位に立つ内容だったけれど、2台版はプリモとセコンドのバランスがぐっと改善されてほぼ同じくらいの重さになっている。今日は楽譜の誤記の修正とピアノテクニックが最適化されているかどうか(ピアニスティック・レベルの確認)を行なった。
 実際に2台のピアノで聴くのは今日が初めてだったけれど、4手版に比べて、対旋律、響き、和声の複雑さも微妙な陰影もずっとよい仕上がりになっていた。演奏会当日の前後の曲目を知らないけれど、誰のどんな曲(すべて2台ピアノ、のはず)が来ても怖がらなくても済みそうな気さえした(いつもの誇大妄想か?)。
 本番は11月5日金曜日、さいたま芸術劇場小ホール。第1回の試みなので入場料は無料とのこと。なんと太っ腹なことか。
 そういえば、田中さんが「ヴェルレーヌの詩による6つの小品」をさいたま芸術劇場で聴いた時のことを話してくださったが、考えてみれば、それは私の知らないコンサートだった。おお、聴き逃してしまった。どんな演奏だったのだろうか。
 今までに私が聴くことができた「ヴェルレーヌ・・・」は川口リリア音楽ホール、日暮里サニーホール、恵比寿ガーデンプレイス兵庫県川西市文化会館(みつなかホールだったか?)、さいたま芸術劇場(4手ソナタ初演時)、そして昨年のさいたま市プラザノース(第6曲の「木馬」にかろうじて間に合っただけ)の6回。沼津のFM局の放送もあったが電波が届かず聴けずじまい。これをお読みの皆さんの中に私の曲を演奏する予定がある方はぜひ御一報ください。作曲者には、なかなか演奏情報は届かないものなのです。