7月6日(火)

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 睡眠不足は、すでに “人生の友” としても、今日目覚めた時は絶不調のはずだった。ところが途中から絶好調になり、家事ははかどる、楽譜の作業は「もう全てを知っている」というような気分でサクサクと進み、文章は書ける、新曲のアイディアも浮かぶ、ついでにバックヤードの草むしりまでやってしまった。その後もパワーは衰えず、レッスンの疲れもものともせず、最後にはピアノ室の除湿機の分解掃除まで手が伸びた。それはワールプール社製の大型除湿で、非常に強力だけれど運転音がトラクターのように騒々しい。壊れたら買い替えたいのだがこれまたトラクターのように頑丈で、かれこれ10年近く使っているのではないか。ダストフィルターがない(いかにもアメリカっぽい仕様)ので、埃が熱交換器のフィンにたまっていく。だから年に1度か2度はまさにオーバーホールのように、たくさんのネジをはずして分解して厚く積もった埃を取り去らなければならない。それを日付が変わってから決行して、まだこの時刻。最短記録かも知れない。年に1度あるかないかのラッキーdayだった。
 そんな折り、新・増殖する歳時記に、詩人柴田千晶の句が選ばれていた。

極悪人の顔して金魚掬ひけり 柴田千晶

 俳句のブログだから取り上げるわけがないが、彼女にはこんな短歌もある。

薄明にハーゲンダッツの看板が純文学のように見えます 柴田千晶

 とてもセクシャルな詩を書く人なので、この薄明には、また特別な意味があるのだろうと思うが、そんなことを知らなくとも秀逸だ。