7月8日(木)

72129

 昨夜も(オイディプス王の物語を読んでいたら止まらなくなって)就寝前に外が明るくなってしまった。
 物語を書くことの本質は、今更ながら、荒唐無稽になることなく、どこまで極限の状況を作り出せるかという一点に尽きると思い知った次第。

 今日は、ウラノメトリア3βの初めてのお披露目。
 ウラノメトリア編集会議はマンガ家のアシスタントの仕事と似ている。楽譜上の指番号のフォント、サイズ、位置、そもそもその運指は正しいのか? 符頭のフォルムが過去の楽譜と異なったりしていないか、スラーの始点は本当にそこか? 臨時記号の位置が読みにくくはないか? エンハーモニックは正確か? これ、ホントは変な曲? などという作業を黙々とこなしていく。
 しかし、マンガ家のアシスタントだって新連載作品のネームを読む時は心躍ることだろう。今日はそんな日だった(と思う)。
 ウラノメトリアのアルファ・シリーズは高品位なメソードを目指している。必然的に小うるさい楽譜になる。それに対してベータ・シリーズは曲集なので縛りが少ない。もっとも古い曲が1976年、最新作は2010年。これだけ開きがあると、作風も変化してバラエティに富んだ印象になる。ちょっと良い曲などというものではなく、圧倒的でありたい。