8月9日(月)旋律作法

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 今日は、ようやく楽譜修正の時間をまとめて取ることができた。3βの「忘れられた歌」の声部の記譜上の整理ができておらず、もし、これを室内楽編曲することになった時には編曲者が迷うこともあるような楽譜だったが、それを修正。
 レッスンの合間を縫って、数学者のM先生から届いた「旋律作法」のレジュメを熟読。これは読み解くにはなかなかの難物。旋律作法は世界中の作曲家が、その核心に迫りたくてしかたがないテーマだけに難度が高い。おまけに旋律作法には不確定な要素が多く、それが近づく者を拒む。勢い、統計学的な論法に頼る書物が多くなる中で、M先生は自らのセンスと信念によって論証を進めている。
 このレジュメを検証するのは、モーツァルトのインスピレーションについて語るのに近い難しさがある。別の角度から言うなら、加工食品などに入っている乾燥剤には「無害ですが食べられません」と表記してあるが、その文が正しいのか間違っているのかと問われるのと似ているかも知れない。
 あと一週間で、私自身が「旋律作法」を書けるくらい熟達したいが、それは無理というものだ。