10月27日(水)ウィリアム・モリス展とオットー・ビーバ・レクチャーコンサート

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 今日午前は父の定期通院付き添い。
 午後は父から頼まれて浦和美術館で開かれているウィリアム・モリス展に行った。たまたまタイ料理店を見つけて、父が「まだタイ料理は食べたことがないな」というので入店。
 料理にはタイ米(インディカ米)が使われていて、1995年の米不足でタイ米が輸入されたことを思い出した。それ以前には、インディカ米を手に入れるために、わざわざアメ横の専門店に買いに行かなければならなかった。
 インディカ米とジャポニカ米は“米”としてひと括りにできないようなところがあるのだが、ジャポニカ米と同じ扱いをした人々がインディカ米批判を繰り返していた。農水省のアナウンスが足りなかった。
 インディカ米はどちらかというと“野菜っぽい”扱いで、大量の水で茹でて、茹で上がったら湯を切って蒸らす。だから日本料理のように炊かない。逆にジャポニカ米は茹でたりしない。
 ウィリアム・モリスはイギリスの先駆的デザイナー。今回の展示はステンドグラス、テキスタイル、壁紙・書籍の装丁・家具などが展示されていた。大型本の「チョーサー作品集」が素晴らしかった。
 午後、帰宅してから29日のピアノレスナー講座の原稿と、来年秋の室内楽演奏会のためのフルート曲の楽譜を交互に書きながら、ピアノの平均律の割り付けを行なう(支離滅裂だな)。
 そうこうしているうちに、川口リリアの「オットー・ビーバ・レクチャーコンサート」の時刻に。ところが洗濯機の中のシーツを3枚干し忘れていたことを思い出し、大急ぎで脱水してバルコニーへ。
 ウィーン楽友協会資料館長のオットー・ビーバ博士のレクチャーコンサートは、モーツァルトシューベルトの時代のサロン、あるいは中流家庭(王族を上流としたときの中流であって、庶民ではない)における当時の音楽事情を語るものだった。冒頭に「フィガロの結婚序曲」の弦楽四重奏版(編曲者不明)をクァルテット・エクセルシオが演奏。素晴らしい演奏。
 今日の一番の目当てはピアニストの北村朋幹(ともき)君だったが、ソプラノの赤石優さんも含めて、全演奏者が素晴らしかった。
 シューベルトの「ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ」は特に名演奏。
 最後にシューベルトの友人で本業は弁護士というゾンライトナーという人が作曲した「弦楽のためのワルツ」。よく書けてはいたものの、やはり素人作品。こういう曲が許されたのもこの時代までだ。ベートーヴェンが現れて、作曲は素人の手には負えないものになってしまった。ベートーヴェン以後、作曲家は音楽家の中でも特に高いポジションを与えられたのだ。
 3時間に及ばんとする長いコンサートだったが、あっという間だった。昨日、新幹線の中で往復5時間近く座り、今日も3時間座っていたので、日頃の疲労も少しは回復できたのではないだろうか(逆に疲れたか?)。