11月17日(水)

100938

 10年ぶりに歯医者に。歯医者は怖いというよりも治療費が高いイメージがあって近づけなかった(実際、高かったけれど)。
 ニュース記事で、10代から70代までの2412人を対象とした調査(30〜40代が6割を占めている)で、その64パーセントが貯蓄をしていないと回答したとあった。この不安な時代に貯蓄をしたくない人などいるはずもなく、その理由は貯蓄に回す余裕がないというものだった。私も同じような回答をすることだろう。
 この状況は各個人の問題ではなく、社会問題である。バブル期を知らない若者も増え「景気がよい」とはどういうことなのか想像できないと話しているのを聞いたこともある。
 本質は景気の良し悪しではない。不必要とも思える大量の工業製品を作って経済を支える必要などなく、政府は水源と農地を確保して、残った力を教育の機会均等に注げばよい。
 ここでいう教育の機会均等とは誰もが大学に行けるという意味ではない。その能力に応じた教育が受けられるという制度だ。大学など、将来大学教員になったり研究者になったりすることを希望する人だけが学べばよい。
 人々が本当に学びたいのはもっとほかのこと、具体的ではないが、たとえば自分自身を生かせるスキルを身につけることではないだろうか。
 自分自身を生かせるとは「自分の能力を生かす」というのとも少し違う。人々に求められる仕事をできるスキルのことだ。やりがいというのは自分の好きなことをやることではなく、人々の役に立って感謝されることによってのみ生まれるものだ。
 現代人は物を多く持ち過ぎている。ゴミのような品物に囲まれて暮らしていると言っても過言ではない。よい家具、よい道具、よい衣服を少しだけ持ち、自らもよい物を作り出す仕事をするというのが理想というものだろう。現代のように安い物を大量に持つのと経費の総額はそれほど変わらないかも知れない。
 それこそ最高のエコロジーとなることだろう。おまけに人生も豊かにしてくれるに違いない。