2月26日(土)

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 子どもメトリア2αの追加曲の改訂にかかりきり。
 スラスラと曲が書けるほど簡単なことなら、おそらく作曲などしていないに違いないのだが、スラスラ書けないとつらいのも事実。手を加えるたびに複雑さが増して、逆につまらなくなったりする。
 複雑な曲は、その複雑さが魅力である時のみ成立する。つまり、その複雑さが、その曲にとって最も単純な形である時にのみ成立する。何も足さず何も引かず、最善の形で。演奏でも作曲でも、音楽には一切のごまかしは利かない。

 まだ2日しか使っていないので正しいレポートにはならないと思うけれど、初期の印象としてオラソニック・スピーカーについて一言。
 先週、小室等さんと山田太一さんのトーク& ライブ会場で、A4ノートPCに繋がれたオラソニック・スピーカー(東和電子)がいい音を出していたので、逡巡した末に注文、昨日届いた。このスピーカーはUSB端子から給電される(バスパワー)だけで、PCをファインオーディオセットに変えてしまうもの。アマゾンで9817円(送料無料)で手に入るほど安価であるにもかかわらず、それより高価なミニコンポに負けない音質だと感じた。
 興味深かったのはアマゾンのサイトにあるユーザーレビュー。「音が大きい」と「音が小さい」というような正反対の書き込みがあったことだ。逆に見れば、オラソニック・スピーカーをテスターとしてそれぞれのユーザーのUSB端子の性能試験を行なったような結果となっているのだろう。少なくとも私のPCでは音量に不満は全くなく、音質も聴き疲れしないよいものだ。
 まだ独身だった若い頃にはオーディオにかなりお金をつぎ込んだものだ。入り口となるカートリッジから出口となるスピーカーまで、数多くのコンポーネントには「リービッヒの最小律」が当てはまり、音質を制限してしまうコンポーネントをグレードアップしていく。しかし、結局はスピーカーがネックとなった。当時はタンノイやJBLのスピーカーが小型乗用車くらい高価だった。しかし、良いスピーカーは音像の定位が見事だった。コンボスタイルのジャズなどは、目を閉じて聴くと自分のすぐ前で演奏するプレーヤーたちの位置と姿が浮かぶほどだった。もちろん、よい録音のものだけ。
 CDの時代になると、どんな安物のプレーヤーでもとりあえず聴ける音になった。よいヘッドホンさえあれば、高級オーディオの必要を感じないくらいになった。だから、電機店の店頭から高級オーディオが瞬く間に姿を消した。オーディオは、それまで以上に趣味の世界となったのだった。
 オラソニック・スピーカーは、そんな、オーディオに夢中になった時代を思い出させてくれるものだと感じた。高級オーディオというほどではないにせよ、音像も左右の定位だけではなく、奥行きまで分かる程度には優れている。CDの録音の良さが聴き始めてすぐ分かる小気味良さだ。