3月8日(火)

130517

 リビアベンガジで大きな爆発。カダフィ側が小型戦術核を使った可能性もあるのではないかと指摘したブログもあった。まさかとは思うが、もしそうだとしたら米露が憂慮していた核拡散による安易な使用に当たる。不確かな情報だから杞憂に終わることを祈るが、ありそうに思ってしまうほど不安な時代になったものだ。
 
 明日は久しぶりのウラノメトリア編集会議。とても楽しみだ。序文と3つの追加練習曲(Appendix)、そしてレッスンノートを除く全ての版下が揃っている。1ヵ月で校正を終えれば4月中の刊行が実現する。次は2βと4α、4βのどれかだ。

 福岡伸一著「生物と無生物の間」の再読を終えた。2度目は、一回目よりさらに面白かった。動的平衡理論も面白いが、今回は遺伝子という考え方に到達するまでのストーリーも面白かった。相対論や分子生物学などは難しいという印象があるが、それは教える人がよく分かっていなかったり、本質を掴んでいない時だろう。福岡伸一さんは枠組みを説明してくれるので、それぞれの問題の成り立ちがよくわかる。
 同様に、一般には難しいと考えられている相対論や量子論も、その枠組みと成り立ちだけなら中学生に説明して理解させることは可能だろう。物質とエネルギーの違いが素粒子のスピンで決まることあたりまでは説明しだいだと思う。
 それに対して、音楽は和声学や対位法、楽式論などが、枠組みとしてではなく、個々の事例として教えられてきた。演奏におけるペリオーデ分析も含めて、それらはひとつの「大統一理論」で説明できるはずだ。ウラノメトリアε(エプシロン)シリーズでは、感覚的に語られてきた「音楽」を、きちんと理由を述べながら説明したいものだ。

 それを裏付けるかのような面白いブログ記事をリンクする。ブログマスターは、ある日突然英語が分かるようになったと、不思議な体験を書いている。それは語学の枠組み(パラダイム)を理解したということなのではないかと思っている。
 喩えるならば、もし自分が英語という言語を生みだそうとしたらどのようにするか、という視点に立ったのだと思う。それなら他人に聞かなくとも、自分自身が答えを持っていることになる。
 このように考えると、作曲もパラダイムからスタートしないと自分独自の曲にはならないだろう。

  
In Deep なぜ私はこのブログを書いているのか