7月30日(土)

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 新潟福島豪雨は、降水量において各地で観測史上第1位の記録を更新した。数日前には予想すらしなかったことだ。生きて行くということは、こういう試練を乗り越えて行くということなのだろう。
 午後9時からの「名曲の楽しみ」、ユジャ・ワンの演奏は凄まじいほどに素晴らしく、身じろぎひとつせずにというと大げさだが、まさにそんな気持ちで1時間集中して聴いてしまった。この人は、将来、いまのアルゲリッチのようなポジションを占めるのだと予感させる風格を備えていた。ただし、アルゲリッチには似ていない。誰に似ているかと言えば、演奏した前日のユジャ・ワンしかいないだろう。
 今日は、もうひとつ集中したものがあった。ピクサーの「ウォーリー」。あまり観る気はなかったのだが、“たろ”から「観たほうがいい、いや観ない方がいいかも。観るべきだと思う、いや観るべきじゃない。観ないとイヤだ、でも観たらイヤだ。ウォーリーを観たことがない人とはお話したくありません、観た人ともお話しません。人生にはウォーリー以前とウォーリー以後があるかもしれないし、ないかも知れない」というようなことを言われたので真相を確かめたくなった。
 始まって数分で、そのクォリティの高さに気づき、あとは一気にエンドロールまで時間が走った。
 日本のアニメは個性と職人芸だが、ディズミーやピクサーはワールドワイドな汎用性とクオリティの高さ、ストーリーとグラフィックのバランスなど、実にシステマティックに制作されているという違いがある。だから比較は無理だけれど、多くの人の才能がどこでも発揮しやすいのはピクサー方式だろう。その代わり、テンプレートを下敷きにしたような作りになる可能性はある。結末はいつだってハッピーエンドだ。
 何を書いてもネタバレになってしまうので、システマティックに制作された例として、下の動画をリンク。
 リンクしたのは、アメリカ海軍の空母、ロナルド・レーガンの、主に女性乗組員によるミュージックビデオ。アメリカの空母は軍用機、兵装、ミサイルなどの防御システムのほかに。毎日1万8000食の食事を提供し続けられるだけの厨房システムと、本格的な手術室を持つ病院、映画館、図書館、フィットネス、コンビニなど5000人の乗組員が長期間快適に生活できるだけの都市機能を持っている。空母を建造するには、非常に裾野の広い周辺産業が高い次元でバランスしていなければならない。そして、乗組員たちの勤務にほどよい緊張感を持たせて、疲れさせず飽きさせないというシフトのバランスも重要だろう。それにしても飛行甲板の広さは想像以上だ。

Women of USS RONALD REAGAN (CVN 76)