11月2日(水)

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 朝、目覚めると耳管が開通して耳鳴りも止まっていた。健康は大事だとつくづく再確認(懲りずに毎日のように再確認しているというところが実態か?)。
 昨日、作業がストップしてしまったために楽譜の作業が遅延。完成は明日に。
 
 仮にタイムマシンが完成したとする。妙な仮定だけれど、素粒子論の飛躍的な発展がそれを可能にしたとする。そして事故が起きた。その事故原因について一般人に説明できる人がいるだろうか。
 「光速度一定」という相対論の前提が崩れるかも知れないというニュースで、ジャーナリストの誰も、あるいは専門家の誰も「光速度一定」という概念について説明できなかったのではないだろうか。
 このように書くのは、それが既に受け手側の問題だからだ。私は理解が速い方ではないので、中学生の時に相対論の解説書を読んでから5年くらいたってから、ようやく「光速度一定」の言葉の意味が分かった。つまり「そんな馬鹿な」という実感を持つまでに5年かかったのだ。その間、説明する側(ここでは書物)は、ずっと変わらず正しく説明していた。

「秒速30万kmで進む宇宙船から前方に向けて発せられた光は、宇宙船から観測しても、外部の観察者から見ても等しく秒速30万kmとなる」

 その後、働くようになって少しだけお金が自由になるとガモフ全集を手に入れた。その第1巻「不思議の国のトムキンス」を読んで、ようやく光速度一定が感覚的にも捉えられるようになった。光速度一定は光の性質ではなく、宇宙の姿を映す鏡だったのだ。つまり、宇宙の制限速度。
 この前提が崩れると、それを理解するまでに私はまた長い年月を悶々と過ごすことになるのだろう。

 ここで、この話題の最初に戻る。
 タイムマシンの事故と似ているのが原発事故だろう。大本営(政府のスポークスマン)は「冷温停止」を目指す、あるいは達成すると言っている。彼らは「冷温停止」の意味を理解しているのだろうか。言葉づらだけなら何かが「停止」するような気がする。しかし、実際にはそうではないことが以下の小出助教の言葉から窺うことができる。

 別冊宝島1821号「原発の深い闇2」(宝島社)から小出裕章助教とジャーナリスト明石昇二郎氏の対談から引用する。

****引用開始****

小出:「冷温停止」など、私から見るともう話にもならない。『冷温停止』というのは、もともと私たち原子力関係者の間でしか使われていなかったテクニカルターム(専門用語)ですよ。  炉心の温度が100℃を下回ったら「冷温停止した」というんです。なぜ100℃なのかといえば、100℃を下回らない限り、水が水として存在できず、蒸気になってしまうからです。ようするに、安定して原子炉を水で冷やすことができる状態を言います。
 福島第一原発1号機に関しては、東京電力自身が「圧力容器の底が抜けてしまっています」と言っているわけです。溶けてしまった炉心が圧力容器の底から抜け落ちてしまった。そうなれば、もう圧力容器の底に水は溜まらない。100℃を下回る、上回るかなんて、今や事故の収束と何の関係もなくなっているんですよ。底から抜け落ちた炉心が今、どこにあるかさえ把握できていないいんです。
 底の抜けた原子炉で「冷温停止」はあり得ません。それなのに、いまだに『冷温停止』なんていうテクニカルタームを使うこと自体が、フクシマ事故のメカニズムを理解していない証拠だとも言えるでしょう 。

明石:つまり大半のメディアは、東電から言われたままの話を、考えナシにそのままたれ流していることになります。

小出:そうです。メルトダウンが明らかになり、冷温停止なんていう概念が崩壊しているのに、東電はいまだに使っているわけですよね。技術者がそんな言葉を使うのはとっても恥ずかしいことだと私は思うんです。

****引用終了****

 そして、福島2号機から、核分裂反応が今でも起こっていることを示すキセノンの同位体が検出された。
 大本営の諸氏に尋ねたいのは、人類は物理法則をねじ曲げることができるほど力があるのかということだ。人類は自分で事実をねじ曲げて認識するのが関の山なのはないだろうか。人類に核燃料は制御できない(断言)。その例のひとつとして、放射性物質半減期を劇的に短くすることさえできないではないか。核種によっては、放射線を出さなくなるまで人類の種の寿命よりも長いかも知れない時間を待たなければならない。
 再び大地震が起こって、福島4号機のプールが倒壊するようなことがあれば東京圏も居住不可能になるという予測もある。先日のトルコ地震の影響を受けて、アルメニア原発が事故(放射能漏れ)を起こしている可能性を指摘する人もいる。
 叡智というのは、制御できない技術に頼らなくとも人類が幸せに暮らせる術(すべ)を持てるようにすることだ。

 
>かなり心血を注いで書かれているブログではないかと思います。頭が下がるばかり。これだけのデータをタダで読めるなんて信じられません。

コンタンのブログ 水産物の放射能濃度のグラフ(その2) 9/30公表分まで