3月22日(木)

262407


 今日最大のイベントはC1の調律。平均律の割付はうまくいったと思う。ユニゾンはまだ安定していないけれど、明日の午前中に微調整すれば気持ちのよいピアノになることだろう。C3も調律が必要。
 行きつけのGS(ガス・ステーション)からガソリン値上げのメールが一週間に2度も届いた。イランへの経済制裁と微妙な円安が響いているのだろう。マス・メディアは円高でも円安でも同じように大変だと騒ぐ。

 話題は飛ぶが、切り餅業界ではシェアトップの「サトウの切り餅 パリッとスリット」など5製品が知的財産権を侵害したという理由で製造禁止命令を受けた。訴えたのは業界2位の越後製菓。損害賠償額は8億円。サトウ食品工業は製造装置の廃棄も命じられている。
 知的財産権(もちろん音楽著作権をも含めて)を守るという問題は実に難しい。楽譜の違法コピーなどは、ほとんど罪の意識もなく当たり前のように行われているし(著作権者の許可があれば違法ではない)、録音された著作物も違法コピーされまくっている。夜に広まるという宣伝効果もあるにはあるのだが、音楽で生計を立てようと思うと困った問題となる。
 書店は1割の本を万引きされると倒産すると言われているけれど、音楽に関しては現実の被害は1割では済まないだろう。裏返して言うと、プロとしてやっていける力がありながら、正当な報酬が得られず、デビュー前に「倒産」している人たちがいるに違いないと想像できるということだ。
 ついでに、ちょっとだけ書いておくと、著作権著作権料はかなり違う。
 作曲すると、その場で著作権が生じる。これは誰が書いても同じ。しかし、その音楽に対して著作権使用料を支払おうという人(CDや楽譜を購入したり、有料の演奏会でその作品を演奏しようという人)が現れるまで、著作権料は発生しない。つまり、商品価値がないと、いくら著作権者であっても決して収入にはならないということ。
 演奏者にも著作隣接権があって、その演奏が録音された時点で権利が発生。これも著作権同様に、対価を支払おうという人が現れるまで著作隣接権料は生じない。ちなみに、生演奏の時には出演料や演奏料収入となる。