地震と豪雨

 今日はレッスンの集中日。
 朝9時過ぎから“のぞみ”ちゃんのレッスン。右手に旋律線と伴奏形が混在する時の音量差を決めるのは難しい。ドビュッシーだったら可能な限り大きく幅を取るが、ツェルニーだったら全てがきちんと聴こえるように設定するだろう。ラジリテは大きめ。今日は、そんなセンスを育てるようなレッスン。
 午前中はピアノ技術者の中山さん。ピアノテクニックは。まだまだこれからたくさん身につけることがあるけれど、志と覚悟という点ですでに高みにいるという印象の人。実験音楽と前衛音楽との違いについて考えた。
 午後は突然の豪雨。そんな中を小池宏史さんがやってきた。そして地震。別に彼のせいではないが、なんというタイミングだろう。彼のブログ「バイエル☆マニア」に「おすまし」がアップされたので、話題は矢代秋雄作品に。久しぶりに彼の「交響曲」を聴いて、オリヴィエ・メシアンから受けた影響の大きさに驚いた。以前は、そのようには聴こえなかった。そして、少々だけれども「当時の流行」のようなものを感じた。つまり、時代の波に洗われると古く聴こえる部分が出てくるかも知れないということだ。自戒。
 夕方は2人の“あかね”ちゃんのレッスン。同じなのは名前だけで対照的な2人だけれども、ふたりとも同じくらい進歩していた。
 夜は高校生3人。なつみちゃん(高2)とは次の録音を「初めての属七(仮題)」に決めて、早速合わせる。ぴったりと合わせるのが意外にも難しい。いつもなら、なつみちゃんの次の打鍵は手に取るように分かるのにお互いのアゴーギクがかみ合わなかった感じ。
 カナコちゃんは「エリダヌス」の本番が近いので、仕上げに入る。4/16+3/16+4/16+4/16の混合拍子の部分を綿密に検証。4/16+3/16+6/16と3/16+3/16+2/16が交互に現れる部分は見事に消化。この難曲をよくぞ弾いたと褒めたい。
 今夜の最後は美咲ちゃん。学校で部活中に「1時間雨量47mm」の集中豪雨を体験したらしい。体育館にいたので、その雨音の大きさに驚いたという。窓の外はホワイトアウト状態で何も見えなかったということ。「子どもの領分」の「Dr.グラドゥス・アド・パルナッスム」がほぼ仕上がったので、ミケランジェリの演奏を聴きながら再検証。楽譜は綿密に読み解いてきたつもりなので、ミケランジェリの独自な(勝手な?)解釈と思える表現に何カ所も出会う。