レッスン三昧

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 午前中はroppy先生。今日は全曲ツェルニー30番。自分で弾くのとレッスンすることが異なるのは当然だけれど、まずは魅力的に弾けなければレッスンする気にも、レッスンを受ける気にもならない。(中には「練習曲だから」という摩訶不思議な理由で弾いてしまう人もいるが)
 roppy先生のツェルニーは実に魅力的。クオリアなので、作曲工房一門以外の方には伝わりにくいと思うが、バイエルやツェルニーを「練習曲としてはきれい」とか「なんとなくきれい」と言っているのではない。むしろ、通俗名曲など優れた練習曲には、美しさの点において歯が立たないことだろう。今日の出色の出来栄えは24番。25番、26番も彼女の例奏を聴いただけで生徒たちは、早く弾きたくてウズウズすることだろう。
 午後は大学で数学を教えていらっしゃるM先生。まだ2回目のレッスンなのに、すでに彼は重要な指摘をしてくださった。それは以下のようなことである。
 いわゆる“ドレドレ感”をリズム・メロディー・ハーモニーに続く音楽の「第4の要素」を呼ぶことは正しくないのではないか。なぜなら、“ドレドレ感”がなければ音楽は成り立たず、それこそが音楽の基盤となっているからである。強いて呼ぶならば「第0の要素」であろう。
 言われてみればそのとおり。クオリアである“ドレドレ感”をたった1回のレッスンで聴き取り、それを分析する力に恐れ入るばかり。
 しかし、ひとつだけ秘密を暴露してしまうと、昨日M先生から「作曲工房までの道順を忘れてしまいました」というメールをいただいたので、そういうところは普通の人。