ウラノメトリア第2巻α版全ページが揃う

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 明け方4時になって、ウラノメトリア第2巻α版全曲のファイルに3種類の固有IDの割り振りを終えた。ウラノメトリア・プロジェクトとしてのシリアル番号、各巻ごとのファイルID、メソード番号である。本来ならば表紙画像データにも割り振るべきなのだろうが、自分で管理できるファイルのみを対象とした。それによると、奥付がシリアル「108」、終曲のファイルIDが「02-057」、終曲のメソード番号は「2α-053」。これに実際に楽譜に記される曲番号が加わると4種類。第1巻の終曲が46番だったので、第2巻は47番から始まって終曲が90番。バイエルの106番には及ばなかったものの、目次やレッスンの手引きなどのテキストファイルを除く楽譜系コンテンツだけで84ページに及ぶ。ダウンロード販売用なら安くできそうだけれど、製本版は高くつきそうだ。これでもかなりのページを第3巻に送った結果である。現在検討しているのは同人印刷所に依頼するということ。それだと通常楽譜に用いられる菊倍判ではなくA4判になってしまうものの、印刷の質を落とさずに、かなり安くなるはず。単価が高くなる問題は印刷部数が少ないからであって、一度に多くを刷るほど人気が出れば菊倍で出しても安くなるはず。

 その後、少し眠って朝の電話で目覚める。起きるのにちょうどよい時刻だった。
 インスタントガッツで喝を入れて、午前中は、ちびまゆ兄妹のレッスン。あきひろ君の全長調スケールがレッスンごとに上手になっている。今日からアルペジオも練習開始。私が肘の動きを止めただけで、手首が無駄なく動き出す。すぐにうまくなることだろう。ラジリテもスタート。“ちびまゆ”ちゃんは、ブルクミュラーの「バラード」名人になってきた。2人とも「理にかなった奏法」を理解できる“よいこ”たちだ。将来も音楽を友とすることだろう。

 午後は、陶芸家のまりさんがお友達と一緒に迎えに来てくださり、大導寺錬太郎・俊平さんのオータムコンサートに向かう。いつもはゴルフだけれど、今日はエスティマ・ハイブリッド。お金持ちはいいなあ。よし、ウラノメトリアでボンビー脱出!と、なるわけがない。
 今日はドイツロマン派のコアなところを突いたプログラム。聴いている私が昔からシューマンブラームスがいまいち理解できていないので何とも言えないところなのだが、錬太郎さんの「アベッグ変奏曲」は名演と感じた。俊平さんの「クライスレリアーナ」も真摯な演奏で、彼の成長ぶりが窺えた。錬太郎さんによる、トリの「交響的練習曲」は力演。
 
  帰宅後、カミさんから娘の“たろ”の高校の文化祭の様子を聞かされる。夏休み中を、そのために全力を尽くして縫製したコスチュームで登場する女の子たちと熱狂的な声援に、会場は熱かったそうだ。
「あれだけのことをやれば、あの子たちは必ず何か学んだことがあるはずよ。それにね、出演者には男の子もいたのよ」
 がんばった高校生たちに拍手を送ろう。

 午後9時から放送されたNHKスペシャル「よみがえる浮世絵の日本」は非常に興味深かった。ボストン美術館に保管されている「スポルディングコレクション」と呼ばれる6500枚の浮世絵コレクションは、今まで非公開であったために(寄贈者の条件)、当時の色をとどめているという。それらの作品は、今まで知られてきた作品が色彩の喪失によっていかに誤解されてきたかを研究者たちに知らしめた。それらのコレクションの質の高さは、フランク・ロイド・ライトの高い鑑識眼に負うところが大きいともナレーションされた。まさに「一芸に秀でる者は百藝に通ず」ということだろう。歌川広重歌川国政、鈴木春信らがいかに優れた芸術家であったかも再認識させられた番組だった。何年も前のことになるが、東京江戸博物館で広重の「名所江戸百景」の復刻版画展を見た。その構図の大胆さ、巧妙さ、面白さとともに復刻ならではの色の鮮やかさに目を奪われたものだが、オリジナルはさらに鮮やかだったのかも知れない。