9月24日(水)

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 午前中最初のレッスンは練馬のSさん。
 私のもとへ通ってくださる皆さんは、とにかく熱心で本当に頭が下がる。Sさんもそのひとり。彼は私と対して歳が違わないピアノ初心者であるけれど、すでにピアノを弾くことが人生の目的のひとつになりつつある。彼はパソコンに触らないタイプの人なので実現は不可能だけれど、第2の「バイエル☆マニア!」を運営したら面白いのではないかと思わせるピアノを弾く。今日はバイエルの94番、95番、96番。そして弾かずに秘蔵しておいた82番。94番は、たまたま本家「バイエル☆マニア!」で少し前にアップされたばかり。バイエルを研究せずに弾くと「つまらない曲」の筆頭に挙げられてしまうかもしれないこの曲で作曲工房は盛り上がる。Sさんも、小池宏史さん同様に「明るく楽しい雰囲気」を表現する。2回出てくるスケールのうち、後者はおなかを抱えて笑っているように聴こえる。
 今日のSさんの進歩は次の質問に集約できる。
「どうして先生のピアノはppが出せるのですか?」
 これは、彼のタッチがどんどん精密になってきている証。自分のピアノのアクションを思いどおりに調整してもらえるようになるまでは道のりが長い。一番の近道は京都の森田ピアノ工房に依頼すること。

 昼休みは大急ぎで近所のスーパーのATMコーナーに行って、通帳に入金。給与生活をしていた時代にはATMというのはキャッシュを引き出すところだったけれども、今は入金するところ。いつもギリギリの残額で自転車操業しているので、いくつかある通帳のメンテナンス(?)をこまめにやらないと、すぐに「引き落としができませんでした」という督促状が届いてしまう。そろそろ未納常習者リストに載っている可能性さえある。芸術を目指す者の勲章と思うことにする。

 午後はレッスンがキャンセルになったので、M先生のレジュメ「動機作法」の検証作業。シェンカーの基本線(原旋律)は楽曲分析には有用だけれども、作曲に応用するのは初めて。過去から学ぶという点では文句のつけようがないけれども「過去から学びながらも、過去に倣わず」まで進むにはどうすればよいかを提示するのが次回のレッスンとなることだろう。というわけで、検証作業よりもレッスンにつかう例題探しに終始することとなった。