10月8日(水)

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 午前中は発表会を来月に控えたチカコ先生のレッスン。ここに書いて役に立ちそうな内容だけ。
 演奏時の姿勢の悪い生徒への指導をどうするか。通常の指導法なら“良い姿勢”などという謎のポーズの写真を載せて、それを手本に姿勢を直すというようなことをするのかも知れないが、演奏姿勢は、そのまま奏法を表しているとも言えるので奏法から入る。もし演奏に問題がないのならば、それなりに奏法が正しいことになるので、それは直さない。グレン・グールドの姿勢は模範的とは言えないが、誰が彼の姿勢を直そうとするだろうか。
 しかし、演奏に問題があるのならば、姿勢を注意するよりも奏法を正すほうが先決である。重力奏法で演奏すると誰でも物理的・力学的に自然なポーズを取らざるを得ない。人口に膾炙するピアノメソードの多くは奏法に無頓着である。

 ノーベル化学賞も日本人が受賞したというニュースは新鮮な驚きだった。元ウッズホール海洋生物学研究所上席研究員、下村脩さん(80)。ノーベル賞を受賞前も後も、ご本人は変わらないのに周囲の認識が変わる。南部陽一郎さんが30年前に受賞していたら人生は大きく変わっていたことだろう。