10月19日(日)

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 昨夜、3Fトイレの水が出なくなったと風太郎が報告してきた。以前(5〜6年前か?)にも電動揚水ポンプが故障したことがあったが、その時、修理に来たサービスマンの作業を覚えていたので、夜が明けて明るくなってから見てみようと思った。
 朝、ポンプ修理をしようとしていたら、ちょうど板橋に住む母方の叔父が訪ねてきた。彼はモノづくりの達人で、現役時代には会社で修理・修繕から施設設備を作る事まで何でもこなしていた。要するに「仕組みが分かる」人だ。ポンプの修理をするところだと告げると、叔父も一緒にバックヤードに来てくれた。ポンプの制御部のカバーを空けると、覚えていたつもりの作業が分からなくなっていた。記憶など信用できないものだ。叔父と二人、しばらく機械を眺めると水圧を検知して水を流す仕組みにたどり着いた。叔父の指示でドライバーでスプリングの強度調節をして電源をつなぐと無事にポンプが作動した。人にはいろいろな才能があるものだ。
 そうこうするうちに、朝の定期便を更新する間もなくレッスン開始時刻となってしまった。
 もう、決してちびではなくなった“ちびまゆ”ファミリー。ちびまゆはギロックの「手品師」。テクニック満載の曲。短前打音と本来の音符との時間的な関わりあい、音量差、伴奏とのアインザッツ。G As B Cのロールンクの繰り返しを止めるAsの打鍵方法、連続する和音の運指。テクニックの習得が大好きな彼女はすぐに理解して覚えていく。お兄ちゃんの“あきひろ”君はシュッテルンクと指返しの練習。C D E F Gの往復を右手1 2 3 4 5 4 3 2 -1 2 3 1 2 1 3 2-(以後繰り返し)というように弾いて区別がつかなくなるまで練習。ほんの数回でうまく弾けるようになった。
 午後はカミさんとご近所散策に出かける約束をしていたものの、作業に変更。尾崎知子さんから「夜の組曲」の楽譜を必要としているピアニストの方がいらっしゃるというメールをいただいたので、楽譜のレイアウトを修正しなければならない。
 夕方、一日分の定期便を更新。夕食後、カミさんとご近所の散策にでかける。区画整理が進んで、ご近所の地理がかなり変わった。200mも歩くと、最近すっかり新しくなった地域になる。全て新築の家ばかり。道路も以前とは全く異なるルートになっており、あっという間に迷子感覚になる。子どもの頃に目印にしていた大木がことごとく切り倒されてなくなっていた。国道17号線くらいまでを往復して帰宅(2〜3キロ程度か)。
 帰宅後、尾崎さんから電話。来年の夏のコンサートは「野村茎一特集」でプログラムを組んでくださるというありがたいお話。チラシの色についてアイディアを求められたので、ラヴェルの評伝に出てきた「真夜中色の青」と答えたが、本当は「鈍色(にびいろ)」がいいと言ったら、彼女も鈍色がいいと思っていたと大笑い。鈍色は出家した僧侶の袈裟の色で、おまけにコンサート会場はお寺のサロン。
 娘の“たろ”がさいたま市の図書館から借りてきた分厚いデザイン集を、カミさんと3人で眺める。一流のプロの作品は、コマーシャルなどの商業作品であっても時代を超えて残りそうだと思う。