10月21日(火)

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 小学生のころにヘイエルダール(当時はハイエルダールとなっていた)の「コンティキ号漂流記」(当時の書名ではコンチキ号となっていた)を読んで以来、しばらくの間(今でもだろうか)海と船、極地探検などに興味を持った。大人になったらバルサイカダで海を漂流すると決めていた。国語の時間の「かきかた」の手本が、ナンセンのフラム号の探検に関する内容だった。さっそく、ナンセンやアムンゼンの極地探検についての本を読んだ。そうなると、大人になってからの目標が北極海横断になった。オーギュスト・ピカールの気球による成層圏到達について読めば、私の挑戦目標は気球による高空到達であり、ピカールが次に行なったバチスカーフによる深海への到達を読めば、目標は深海に移った。父親にねだってジャック・クストーの海洋ドキュメンタリー映画に連れて行ってもらったこともあった。このように、極端に偏った興味と知識しか持たない子ども時代を過ごした。
 大学に入ってからその偏りにようやく気づき世界観の大修正時代を迎えることになるのだが(当時の焦りようは思い出しただけで眩暈がしそうだ)、今日は、久しぶりに「海へのあこがれ」がよみがえるようなきっかけがあった。
 ほとんど空き時間のない一日だったのだが、レッスンの合間の短い時間に、ネット上の船舶関連サイトや極地探検関連の記事をサーフィンした。もし、子ども時代にネット環境があったら嬉しさのあまり発狂していたかも知れない。フラム号が大切に保存展示されているのを知って、なんとかノルウェーまで行きたいと思ったほどだ。飛行機がダメなのでイカダで行くしかないか?