11月10日(月)

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 高騰していたガソリン価格がかなり安くなってきた。円高の傾向もあるだろうが「今後、ガソリン価格が安くなることない」とニュースでコメントしていた識者が語っていた予測(実は思い込み)が事実とは異なっていたのかも知れない。「知れない」と書いたのは、安値は今だけの現象で、長期的に見ればガソリンは高値安定となる可能性もあるからだ。
 しかし、高価なガソリンを許容するほど現在の日本社会の経済状況は余裕があるだろうか。レッスンにクルマで通われる方が明らかに減った。クルマを手放したという方もいる。現在借りている2台分の駐車場を1台に減らそうかとさえ思っている。要するにガソリン価格が上昇すれば需要は減り、エネルギーの供給構造そのものが変化するということだ。
 今回の原油高騰は、産業界にも一般の人々にも石油依存の不安定さを知らしめるきっかけとなった。しかし、自然エネルギーは以前として、それだけでは代替エネルギーとはならない。残るは原油の使用量を減らすことだ。
 お隣の埼玉県川口市では、スーパーなどでのレジ袋の無料配布をやめることになった。そもそもスーパーが消費者に対して「レジ袋を使うように」教育してきたからこそ現在のレジ袋の隆盛があるのであって、それまでは誰もが買い物カゴで済ませていたものだ。
 いまではエコバッグという小さく折りたたんで持ち歩ける買い物袋が普及して、レジ袋を使わない人が徐々に増えている。要は生活スタイルの問題だったわけだ。
 食品トレーも本当に必要なのだろうか。レジ袋のように売り手側の論理によって、いとも容易く飼いならされてしまう我々消費者なのだから、トレーなしという売りかたにもすぐに慣れてしまうのではないか。さすがに経木にまでは戻れないが、薄手の防水紙による紙袋はどうだろうか。あるいは、数多く普及している軟質プラスチック製の密閉容器を持ち歩いて、そこに肉などを量り売りしてもらうと割引があるというようにすればよいだろう。買って帰れば、容器ごと冷蔵庫に入れて保存できて便利なのではないか。
 バイオ燃料もブームになっているが、現在の技術では製造時の二酸化炭素排出量が想像以上に多く、それを考えるとあまりエコではなさそうだ。
 決定打にはならないが、太陽光発電の各家庭への普及は大きなエネルギー削減につながることだろう。そのためにもグリーン電力買い取り制度をヨーロッパ並みに整備すべきだ。設置時の一時的な補助金は意味も実効性も低い。少子化対策として、子どもが生まれたら一時金を支払うという自治体があるが、それよりも子どもが成人するまで減税するほうがずっと効果がある。同じように晩婚化の解消には、若者を正社員化して収入を安定させることが最も効果があるだろう。