11月12日(水)今日の「オレオレ詐欺」

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 隣家に娘さん(成人)を騙(かた)る「オレオレ詐欺」の電話がかかってきた。もちろん、オレオレ詐欺の存在ついてはニュースなとで良く知っているご夫婦が受けた。ところが、2人とも「かかってきた電話が全くオレオレ詐欺であるとは疑わなかった」とおっしゃっていた。オレオレ詐欺が、これだけ周知の事実となっていても少しも被害が減らないということは、実行犯のスキルが上がっているということと(まさにプロ)、もうひとつは、誰もが知っていると思い込んでいる手口を避けているということだろう。
 ところが犯人には誤算があった。このご夫婦は正義感の塊のような人たちだったのだ。穏便に済ませるという犯人に反論して「娘が罪を犯したというのならば、きちんと刑事罰を受けて罪を償うのがスジだ」と言って、犯人たちが予想しない展開となった。
かなり長い時間にわたっていろいろと事情を聴いた後に、ご主人が決意したように言った。
「娘はどこにいるんですか? 逃げないように捕まえておいてください。すぐに警察に行ってもらいますから」
 そこで電話が切られたので、オレオレ詐欺であったことに気づいたのだそうだ。
 オレオレ詐欺成功のカギは、人々の「穏便に済ませたい」という心の隙なのかも知れない。
 ちなみに、お隣の娘さんは犯罪に手を染めそうな人ではなく、ご両親同様、実直で信頼のおける人。

 実は、我が家にも数日前に、人捜しを装って娘の名前をさぐるような電話がかかってきた。カミさんは「いえ、我が家にはそのような名前のこどもはいません」の一点張りで、決して娘の名前を明かさなかった。

 我が家で用意しているオレオレ詐欺対策はいくつかあって、そのひとつは次のようなもの。

「あのさ、オレだけど」
「え? “たろうきざえもんのしょうときより”なの? それとも“しょうじたろべえむねきよ”なの? どっちよ?」

 いずれも実在して戸籍に残っている名前。一度で覚えて復唱することは難しいだろう。