11月13日(木)作曲工房ミニマムエミッション化計画

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 作曲工房の太陽光発電設備(定格出力4.5kw/h)は、工房全館を365日24時間連続空調(換気と冷暖房を同時に行う“気調システム”)のパワープラントとして設置したものである。だから、環境に大きな二酸化炭素負荷をかけずに快適な住空間を実現するという目的は、ほぼ達成してきたと言ってよいだろう。
 太古の昔から景気動向に生活が左右されることを余儀なくされてきた「非流行作曲家」にとって、昨今の世の中の経済情勢は厳しいものがある。というわけで、気調システムは計画機械換気機能だけを稼働させて電力使用量を大幅に減らし、太陽光プラントで生活電力そのものを賄ってしまおうというプランが浮上した。それにかかる費用は、最近クルマで通う人が減ったレッスン用駐車場のうち1区画を解約して充てることにした。
 まずは暖房計画である。現在もっとも優れている暖房器具はフランスのキャンパ社が製造している「フォトン・ヒーター」だろう。現在我が家では補助暖房として「グランド・アングル」と、もう少し小型の「アングレイヤー」を使っている。初めて使った時には少しも暖まらないので故障かと思ったくらいだが(本体を触っても最高で50度くらいまでしか上がらない)、遠赤外線で人を直接温める薪ストーブのような効果を実感したときにかなり感激した。熱さを感じないと暖房されている気がしない人には向かないが、ほんわかと暖かい不思議な暖房感が快適。
 輸入しているのは工房のすぐ近くにある高級輸入家電の専門商社なのだが(ときどき、ご近所向けに訳あり商品の倉庫販売も開いてくれる)、なんとカタログハウスの中古品部門である「温故知新」が定価(47040円)の3分の1の15800円で扱っていた。これを2台購入すれば、気調システムの暖房機能(ヒートポンプ方式)を8割方(稼働時間)停止できるだろう。アングレイヤーの定格出力は750w/h。気調システムに比べれば非常に小さい出力だ。4台のフォトンヒーターでも足りない熱量は家族全員1枚多く重ね着して耐え忍ぶしかないだろう。
 次いで、白熱電球の蛍光灯化である。過去にも点灯時間の長いところには電球型蛍光灯を使っていたが、点灯と消灯の繰り返しに弱いなどの欠点があって、まだ白熱球が活躍している。ところが、イオングループのプライベート・ブランドである「トップ・バリュー」に、極めて安価ながら性能のよい電球型蛍光灯が登場した。298円という驚きの低価格の普及品が60wの明るさで13wの消費電力。398円の上級グレード(それにしても安い)は、2万回の点灯に耐える性能で12w。テストのために1ヶ月ほど前に2カ所をその電球型蛍光灯に交換してみたところ、とても明るくて使いやすい。というわけで、10カ所ほどをこれに交換する。600wから120wへとかなりの省エネだ。パルックの電球型蛍光灯が1000円程度の実売価格なので、イオンブランドはこの点でもミニマムエミッション計画に貢献してくれている。
 毎年、春と秋には電力会社からの購入電力よりも売電量のほうが多い、いわゆるマイナスエミッション(二酸化炭素排出量がマイナス)になるのだが、真夏と真冬は大きくプラス側に傾いていた。我が家の子どもたちからも、まだいくつかのアイディアが提案されている。
 これから、毎日の電力売買電力のチェックが楽しみになることだろう。