11月23日(日)

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 夕方から“風太郎”と娘の“たろ”、カミさんの4人で義母のところに行った。往路の車中でFM番組の「現代の音楽」を聴いていたのだが、私自身もそれほど積極的に聴いていたわけではなく、とにかく家族の評判が悪いので、徳永英明の「ヴォーカリスト」のCDになった。
 なんと説得力のあるアルバムなのだろう。聴衆のレベルとか、音楽的技術の進歩の問題ではなく、クラシック系の伝統を受け継いでいるはずの現代音楽が説得力を失っていることを実感させられる力量を感じた。人は生まれてからせいぜい青年期になるくらいまでしか芸術を受容する能力を高めることはできない。人類は、これからもそれを繰り返していくに違いない。だから、将来には“いわゆる現代音楽”が受容される時代が来るというのは幻想に過ぎないだろう。多くの人に理解される方法で、音楽の内容を深めていく方向性を取らない限り、現代音楽の作曲家たちは没するとともに名前が忘れられていくことになるだろう。