IMF日本再建プログラム

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 今日は趣をかえて、経済問題。
 日本の赤字国債の発行額は極めて深刻で、作曲工房の定期便の右下に借金時計がリンクしてあるとおり、とても我が家の財政状況では借金返済に寄与できるとは思えない水準に達している。
 日本の国債の評価(信用度)は、先進国中最低であるのはもちろんのこと、ずっと人口の少ない(日本の70分の1)ボツワナをも下回っている。日本経済がデフォルト(債務不履行)となるのも現実味がある。
 “その時”に備えて、すでにIMF(国際通貨基金)は日本再建プログラムを作成済みで、それは次のような内容と伝えられている。

1. 公務員の総数の30%カット、及び給料30%のカット、ボーナス全てカット 。
2. 公務員の退職金は100%すべてカット 。
3.年金は一律30%カット。
4. 国債の利払いは、5〜10年間停止 。
5. 消費税を20%に引き上げ 。
6. 所得税課税最低限を年収100万円まで引き下げ 。
7. 資産税を導入して不動産には公示価格の5%を課税、債権・社債については5〜15%の課税、株式は取得金額の1%を 課税。
8. 預金は一律1000万以上のペイオフを実施し、第2段階として預金額を30%〜40%財産税として没収する。

 強烈な内容だが、確かにこのくらいでないと日本の膨大な借金は返済不可能に違いない。しかし。問題は、これで暮らしていけるかどうかということだ。たとえば資産税を見ると、仮に公示価格が3000万円の土地(東京都内に持ち家がある人ならば普通の価格ではないか)を持っていた場合、毎年150万円の税金がかかることになる。ローンを払いながら、毎月12万5千円の上乗せは非常に厳しいだろう。これに建物の評価額の5パーセントが加わるので、土地と家は売りに出さなければならない人も出てくることだろう。公務員の退職金100パーセントカットも強烈だ。60歳で定年退職しても年金は65歳にならないと支給されない。おまけに支給されるようになっても年金すら30パーセントがカットされている。食いつなぐための仕事はあるだろうか。消費税が20パーセントというのは、低所得者層には相当厳しく影響する。1000万円以上の預金のペイオフ、つまり1000万円を越える預金は没収されるということで、庶民は影響を受けないが資産家は没落を意味する。資産家はしばしば悪者扱いされるが、意外にも、資産家の存在が経済をうまく回している側面もあるのだ。1000万円以上の預金を持っている個人がひとりもいない世界というのは、日本経済は未経験の領域であり、産業構造がそれに対応していない。全ての高級品・もしくは高額製品(フルコンサートグランドピアノは単なる高級品・贅沢品に分類すべきものではない)が製造中止となり、その状況が長期化すれば製造や維持に関する関連技術も失われかねない状況となることだろう。ペイオフの第2段階は貧乏人をも襲う。預金額の30〜40パーセントが没収となる。
 
 さて、この厳しい状況を生き延びると、日本経済はIMFの管理下を離れるときが来る。誰もが横並びの資産状況になっているかも知れない。ところが、そのような中でも、機転が効く人は、きちんと這い上がって短時日のうちに再び資産を築いてしまうことだろう。私には縁がなさそうだ。