2月8日(日)

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 アイディアが爆発する時がある。今日の昼過ぎに定期便を更新した後にそれが起こった。これはもう困ったもので、一度にいろいろな事が解決してしまうのだが、ひとつを書き留めようとする間に他のアイディアが逃げていくという状態だ。
 たとえば、どの書物にあたっても定義が曖昧な「ペリオーデ」をレッスンでは簡単に説明できるのに、ウラノメトリア上では容易いことではない。その解決策がまず、やってきた。すると同時に「薄日さす森」のようなイメージの美しい曲もやってきた。困ったと思った瞬間、数日前に図書館でちらっと立ち読みした岩波哲学の第11巻にあった「真っ白いキャンバスはあり得ない」という言葉の意味がすっと分かった。すると、そこに「もしもあなたが猫だったら」(竹内薫/中公新書)という本にあった思考実験が重なって、過去のコピーのような“作曲”をしてしまう人(精神)と過去の例を踏まえながらも避ける考え方の差がどこにあるのかが分かった気がした。
 こういう時は、落ち着いて重要度の高いものからやっていけばよいのだが、それを考える余裕は全くない。前述したことはおよそ100分の1秒(感覚値)ほどの間に起こったできごとだからだ。
 ペリオーデの適切な解説に成功すれば、ウラノメトリアの作業が進むばかりかレッスンにおいても画期的な出来事となるだろう。これなしで音楽解釈をしても意味がないいと言えるほど重要だからだ。「薄日さす森」を書き上げることができれば、代表作となる可能性さえある(こればかりは分からないが)。「真っ白いキャンバスはあり得ない」を音楽コラムとして書き上げたならば、今後の私のスタンスに影響を与えるほどの新たな考え方を得られるかも知れない。
 それで、私がどのような選択を行なったかについては、嫌でも、いずれ明らかになります。