5月6日(水)

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 今日は午前中からレッスン。
 イタリア語には日本語訳できないか、もしくは難しいものがあり、その一つがmenoである。日本語の“もっと”の逆は“もっと少なく”というような説明分にならざるを得ない。
 ben(bene)も、実はそうではないだろうか。「十分に、正しく」などと訳されるが、これは英語のoptimalに相当する言葉だろう。「最適」と訳されることが多く、最適化にも使われる。ben staccatoなどと使われると「最もあるべきスタッカートで」という気がして、思わず考え込んでしまう。
 というわけで、今日のレッスンはbenについて考えるようなレッスンだった。

 午後は、明日の作曲レッスンのために届いている新曲のファイルを読みやすい形に浄書すること。「展覧会の絵」のピアノ版の音域を拡大したような壮大な2段譜を3段譜に直していく。4時間ほど作業して(一応)最後まで届いたが、アーティキュレーションなどの細かい修正は手付かず。強烈なインスピレーションがやってきたに違いないだろうピアノスコアを前に、しばし余韻に浸る。私がたまたま先に生まれたからレッスンする側に回っているという気さえしてくる音の群れだ。
 レッスン室から出ると、一転して、作曲工房は朝から「とむりんブーム」。昨日はM3で手にれたCDだったが、今日はカミさんも息子も娘も「とむりんCD」を聴いている。リビングでは朝から夕方までずっと流れっぱなし。力の入ったスコアと格闘した後に古い自作を聴くと恥ずかしいような気分になる。