8月26日(水)

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 昨夜も眠れる気がせず、テレビの前に座ったら上杉謙信をテーマとした「歴史秘話ヒストリア」という番組だった。深夜枠なので、もちろん再放送。これが非常に興味深く、今まで思い描いていた謙信像の修正をしなければならなくなった。
 最初から何もかも分かっている人間などいるわけがないのだが、それを理解することは難しい。事実から学ぶことのできる人間の強さは、いずれ早熟の天才に匹敵するようになる。謙信は、まさにその一例だった。謙信に続いて、ヒストリアは続けて「長谷川等伯」も再放送した。これも面白くて、観入ってしまった。シェアを独占する狩野永徳に対抗する等伯の戦い。作品だけならよいものを描いて評価は後世に任せればよい。しかし、仕事をとるとなると話は別だ。
 渡邊あゆみアナの語りが絶妙。ベテランの強みか。
 語りといえば、日曜日にカミさんが「日本怪談百物語」だったか、そのような番組の録画を観ていた。10人(?)の語り手たちが100の物語を語る。俳優、アナウンサー、講談師、弁士など、さまざまな語り手が次々と交代しながら登場する。講談師の一龍斎貞水の巧さが際立っていたが、山崎バニラもがんばっていて彼女の才能を感じさせた。全体を見渡すと、個性がありながらクセがないという語りがよかったと思う。俳優は自然さが持ち味だけれど、語りでは押しの強さも必要であると感じた。アナウンサーの加賀美幸子さんは、うまいけれども少しアクの強さを感じさせた。
 それで、ようやく今日。午前中は父親の定期通院に付き添う。検査などが入って、昼過ぎまでかかった。母親から、昼食は何かおいしいものを食べに連れていってと頼まれていたので、父に食べたいものを訊ねてステーキハウスへ向かった。夏なのに大した食欲だ。残された時間の多くない父だから、食べたいものは何でも食べてほしい。ところが、それに比して、こちらは36歳も若いのにほとんど食欲がない。ステーキハウスに入ったのはよいが、何を頼んだらよいのか迷ってしまう。梅干しのかけらがひとつはいったコンビニのおむすびを1個注文したい気分だったが、一番少なそうなメニューを頼んでなんとか食べ終えた。
 午後はカナコちゃんから。保育園からの12年を超える付き合いだから一番ツーカーの仲。大学にも無駄に通っていないという印象。ようやくショパンエチュードに入る。今まで彼女がショパンエチュードを弾いていなかったことが不思議なくらい。そして、夜の最後がミサキちゃん。高3の彼女は来月から受験休みに入る。ツェルニー40番をあと数曲残すのみ。10-12の「革命」も、あと少しで合格というところ。復帰後にがんばってもらおう。
 さて、ウラノメトリア3ガンマ(連弾曲集)の「物語」は、なかなか手ごわいことが分かってきた。中間部を書かなければならないのだが、作曲年代が古いので発想が当時の作風と合わせにくい。今日は「シリウスB」だの「生まれ故郷のコスチュームで」というような曲を弾いて昔の気分を味わう。若い頃のアイディアは実に新鮮だと改めて感じた次第。