10月12日(月)

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 今日は午前中レッスン。午後から伊藤若冲の「動植綵絵」が出品されている東京国立博物館の「皇室の名品展」に行った。そのために、カミさんに言われるままに午後1時5分から放送されたNHKの「皇室の名宝 秘められた珠玉の技」で予習。
 M3でヘロヘロに疲れていたが、カミさんと若冲には勝てない。上野までは30分。3時前には国立博物館に到着。混んでいたが、それは想定済み。閉館時刻ころには空く。
 はじめ、展示品を全てをチェックしてからじっくり鑑賞する作品を決めて再度回るやりかた。「動植綵絵」はノロノロ進む行列に並んで30点全てを見た。
 伊藤若冲は、この10年ほどで急に脚光を浴びた画家の最右翼だろう。なぜ若冲が知られるのに時間がかかったのかは本当に不思議だ。鶏の絵はどれも素晴らしいが、有名な群鶏図は30枚の中でも圧巻。世界的に見ても強烈な作品だろう。こういう画家を生む日本文化は、どこか特殊なものなのではないかとさえ思ってしまう。
 精密さという点では工芸品にも若冲以上に素晴らしいものがあった。
 1900年のパリ万博に出品されたという七宝四季花鳥図花瓶は、金線七宝の名品。これを見たヨーロッパ人は魔法のように思ったのではないか。牙彫(象牙の彫刻)の「官女置物」も超絶技巧。高村光雲の「矮鶏置物」は桜の木彫りの雌雄一対の名品。
 閉館までの2時間、至福の時を過ごしてきた。