11月25日(水)東邦音楽大学・短期大学ウィンドオーケストラ

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 今日は文京シビックホール東邦音楽大学・短期大学ウィンドオーケストラのコンサート。作曲工房のチカちゃんが出ているからだけれど、去年聴いてレベルの高さにびっくりしたので、決して義理で行ったわけではない。
 去年までは無料だったけれど、今年から全席1000円。もっと早く有料にすべきだったろう。
 今年は去年の2倍以上の来場者。半分は埋まった印象。芸大のウィンドオケのステージと重なってしまったけれど、このウィンドオケのファンも少なくないのではないか。
 1曲目はメンデルスゾーンが15歳で書いた「ハーモニームジークのための序曲」。早熟の天才らしく、格調高い音楽。スコアどおりの編成で演奏したので20人ちょっと。よい演奏だった。
 2曲目はマーセル・ポーという作曲家の「ディオニソス」という曲。マーセル・ポーは20世紀前半生まれのベルギーの作曲家らしい(推定)。音は、かなりアメリカナイズされた印象。
 3曲目は、やはりベルギーの作曲家で1973年生まれというベルト・アッペルモントという作曲家の「コーラリア」という曲。長音階がゆったりと繰り返されるシンプルな導入で曲が始まり、穏やかに進んでいく曲。
 4曲目は1966年スペイン生まれのフェレール・フェランという作曲家の「魔法の森」という3楽章からなるオーボエ協奏曲。ソリストは日フィルのオーボエ奏者で、東邦音大でも教鞭をとっている松岡裕雅氏。
 メンデルスゾーンの1曲以外は、どれもアメリカナイズされた狭い意味での「吹奏楽ジャンル」の曲に聴こえた。オリジナルであることは決してやさしくないけれど、今のままでは吹奏楽、とくに吹奏楽オリジナル曲が「開かれた音楽」になるには道のりは遠い印象だ。
 休憩15分を挟んで、ウィーンをテーマにした後半が始まる。
 最初はヨハン・シュトラウスの「喜歌劇 “こうもり” 序曲」。ウィーンの雰囲気を伝えるにはよい曲。2曲目はスッペの「喜歌劇 “ウィーンの朝・昼・夜” 序曲」。これはあまりすぐれた曲とは言えない。声部の少なさから言っても、大編成は必要ない。そもそも各楽器を生かせるだけの内容がない。伝統的な2管編成のオーケストラが繊細な複葉機だとしたら、フル編成のウィンド・オーケストラは最新鋭の戦闘機である。この機体を活用するには、それなりの任務が必要となる。
 プログラム最後はリヒャルト・シュトラウスの「 “ばらの騎士組曲」。2台のハープとチェレスタが加わって編成はさらに大きくなった。この最新鋭戦闘機にとって任務に不足はない。生き返ったように音が踊り出す。今日最高のプログラムにして最高の演奏。リヒャルト・シュトラウスの凄さを再認識させられるような名演だった。
 アンコールはヨハン・シュトラウスポルカ「雷鳴と電光」。もう一曲は有名なマーチだが曲名が思い出せない。
4分の2拍子、アウフタクト ドド/ド・ド・・#ドド/レ・レ・・ドド/ド・ファ・ミ・レ/ミ〜という曲。思い出せないと気持ちが悪くてたまらない。
 
 ウラノメトリア3ガンマを明日の午後に受け取りに行くことになった。最初に行なうのは間違いのチェック。明後日にはウラノメトリアストアで頒布開始。売り上げがそのまま3アルファの印刷・製本に回されるので、皆さん、よろしくお願いします。